菊の原産地は中国といわれ、日本へは平安時代に伝わったようです。当初は漢方として使われており、一般的に食用になったのは江戸時代に入ってからです。
菊の生産は青森や山形が有名ですが、青森県の南部町は阿房宮という品種の生産量が日本一です。
〜菊の栄養成分〜
菊には風邪予防のカロテンやビタミンC、成長に必要なビタミンB群などがバランスよく含まれています。またエネルギー量が少なく、食物繊維も豊富なので、ダイエットにおすすめの食材です。注目はビタミンE。
〜ビタミンEの働き〜
菊に豊富に含まれるビタミンEは脂溶性のビタミンで、野菜や植物油に多く含まれています。
体内の細胞の酸化を防ぐ作用があり、老化防止や美容に働くことから若返りのビタミンとも呼ばれています。
また、血管の弾力を保つ働きもあり、動脈硬化予防や肩こり、冷え性などの改善も期待できます。
●今日の料理
菊のマリネ
?菊は花びらをはずし、塩少々と酢大さじ1(分量外)を入れた熱湯でゆで、冷水にとって冷ます。
?玉ねぎはうす切りにして2つまみの塩でもむ。しんなりしたら洗ってしぼる。ハムは一口大に切る。
?酢、砂糖、オリーブオイルを混ぜ、?の菊、?の玉ねぎとハムを和えて出来上がり。
ポイント…菊はゆで過ぎないように。
イカ刺しの菊花まぶし
?菊の花は洗って水切りし、花びらをはずす。水気が残っていたら、キッチンペーパーに広げて乾かす。
?イカ刺身は少し太めに切り、塩で軽く和えておく。
??の菊の花びらを?のイカの刺身にまぶしつける。
?器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…菊の花びらに水気が残らないようにする。
豆腐の発祥は2000年前の中国といわれ、日本へは奈良時代に遣唐使によって伝えられたようです。
現在では世界中でトウフと呼ばれ、優れた健康食品として広く親しまれるようになりました。
〜豆腐の栄養成分〜
豆腐は「畑の肉」と言われる大豆が原料なので、良質のタンパク質が豊富に含まれ、ほかにビタミンB群やビタミンE、カルシウムなども多く、まさに世界が認めた健康食品といえます。注目はイソフラボン。
〜イソフラボンとは…〜
イソフラボンとはポリフェノールの一種で、豆腐のほかに納豆などの大豆食品全般に含まれています。
女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きがあり、ほてりやのぼせといった更年期障害の緩和。女性ホルモンの減少から起こる骨粗しょう症の予防。悪玉コレステロールの減少を促し動脈硬化などの生活習慣病予防。美肌作用が挙げられます。
●今日の料理
豆腐のポタージュ
?豆腐をミキサーなどでなめらかにする。パセリはみじん切りし、洗って水切りする。
?鍋に水とコンソメ顆粒を入れて火にかける。?の豆腐を手早く入れて混ぜる。塩、こしょうで味をととのえ沸騰させないように温める。
?器に盛り付け、オリーブオイルを浮かせ、?のパセリを散らして出来上がり。
ポイント…豆腐を混ぜたら沸騰させないように。
ミニ冷やっこ
?豆腐は6等分して軽く水切りする。スモークサーモン、ザーサイは粗く刻む。万能ネギは小口切りにする。
?酒盗、?のスモークサーモン、ザーサイそれぞれにクリームチーズを3等分して混ぜる。ザーサイ入りには?の万能ネギも混ぜる。
?器に?の豆腐を盛り付け、?の3種類の具をのせる。スモークサーモンにはパセリを、酒盗には白ごまをのせて出来上がり。
ポイント…豆腐の水切りをする。
バジルの原産地はインドから熱帯アジアといわれ、現在では100種類以上のバジルがあります。
日本へは江戸時代にすでに中国から渡っており、目を洗う薬草として使われたのでメボウキという和名があります。
〜バジルの栄養成分〜
バジルには風邪予防に働くカロテンや美容のビタミンEなどが豊富に含まれ、またカルシウムや鉄といったミネラルも多く、非常に栄養価の高い食材です。注目はリナロール。
〜リナロールとは…〜
リナロールとはアルコールの一種で、バジル独特の甘くほろ苦い香りの素となる成分です。
この香りには鎮静作用があり、神経を鎮めて精神的疲労の改善や偏頭痛の緩和などの働きがあります。また、消化促進作用で胃もたれ予防や食欲増進、殺菌作用、呼吸器系感染症の予防などが期待される成分です。
●今日の料理
バジルペーストで炒め野菜
?バジルは洗って葉を摘み、水気をふく。
??のバジルとバジルペーストの材料をフードカッターかすり鉢でなめらかになるまですり混ぜる。
?豚肉、お好みの野菜(アスパラ、しめじ、パプリカ)などを一口大に切る。
?オリーブオイルで?の豚肉から順に炒め、?のバジルペーストを大さじ1程度からめ、塩で味を調える。
?器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…ペーストを保存する場合はバジルの水気をしっかりとる。
バジル風味のひき肉ご飯
?にんにく、玉ねぎを粗みじんに切る。エリンギは輪切り。長いもは1cm角程度に切る。
?フライパンに油をあたため、?のにんにく、玉ねぎ、豚ひき肉、エリンギ、長いもを順に加えてしっかり火を通す。
?砂糖、しょうゆ、オイスターソース、塩、こしょうで味付けする。バジルを手早く刻んで加える。
?器にご飯を盛り、?のひき肉をかけて出来上がり。
ポイント…バジルを入れる前に材料に火を通す。
日本近海にはマアジやシマアジなど、およそ20種類ほど分布しています。その中でもマアジは大衆魚の代表として、刺身や塩焼き、唐揚げ、干物など様々な料理で楽しめます。
〜マアジの栄養成分〜
マアジには良質のタンパク質を豊富に含み、カルシウムやビタミンB群など身体の成長に必要な成分が多いので、成長期のお子さまには是非食べていただきたい魚です。今回の注目はDHAとIPA。
〜DHA・IPAとは…〜
DHAはドコサヘキサエン酸という脂肪酸で、特に脳細胞や目の網膜に多く存在し、脳の活性化や視力低下防止などの働きがあります。
IPAはイコサペンタエン酸という脂肪酸で、善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らします。また中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする働きもあります。
どちらの脂肪酸も体内では作り出すことができない必須脂肪酸なので、積極的に摂取が必要です。
●今日の料理
?アジは3枚におろし2〜3等分にする。塩、こしょうで下味をつける。
?玉ねぎはうす切り、にんじんとしょうがは細いせん切り、ししとうは楊枝で5〜6箇所に穴を開ける。糸唐辛子ははさみで3cm程度の長さに切る。
?だし汁、酢、砂糖、しょうゆを合わせて漬けダレを作り、?の玉ねぎ、にんじん、しょうが、糸唐辛子を浸しておく。
??のアジの水気を拭き、薄力粉をつける。170℃くらいの油で?のししとうを1分程度揚げ、油をきって?の漬けダレに入れる。続いて、薄力粉をつけたアジを3〜4分揚げ、油をきって?の漬けダレに入れる。30分程度味をなじませて出来上がり。
ポイント…アジをからっと揚げる。
アジの貝盛り焼き
?アジの刺身は、細かくし過ぎないように包丁でたたく。
?しいたけ、青しそ、みょうがをみじん切りにする。
??のアジに?のしいたけ、青しそ、みょうが、みそ、片栗粉をよく混ぜ、ホタテの稚貝の貝殻にのせる。
?グリルで3分ほど焼いて出来上がり。
ポイント…アジを細かくし過ぎないように。
モロヘイヤの原産地はエジプトといわれ、むかし重病の王様がモロヘイヤのスープを飲んだら治ったという故事があることから王様の野菜と呼ばれています。
日本に本格的に入ってきたのは1980年代と最近のことです。
〜モロヘイヤの栄養成分〜
モロヘイヤにはカルシウムや鉄といったミネラルから、カロテンやビタミンCなどのビタミン類まで非常に多くの栄養成分を含んでいます。注目はムチン。
〜ムチンとは…〜
ムチンとは糖質とタンパク質が結合してできた物質で、長いもなどのネバネバと同じ成分です。
糖質の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑える働きがあるほか、胃壁などの粘膜を保護する働き、食べ物の吸収をよくする働き、風邪などのウィルスを防ぐ働きがあります。
モロヘイヤが持つ豊富な栄養成分とムチンの働きは、まさに王様の野菜。
※現在では、ムチンは植物には見られない動物性の粘液成分を指すという知見があります。 モロヘイヤの注目成分について、「ムチン」との記載は、2010年の掲載当初のものです。
●今日の料理
モロヘイヤの冷や汁
?モロヘイヤはゆでて水にとり、絞って粗みじん切りにする。きゅうりは薄い小口切り、しょうがとみょうがはにじん切りにする。
?だし汁にみそを溶き入れ、?のモロヘイヤ、きゅうり、しょうが、みょうがを入れて混ぜる。1時間ほど冷蔵庫で冷やす。
?器に盛り付け、白ゴマを散らして出来上がり。
ポイント…モロヘイヤの色が褪せるのでゆですぎに注意。
モロヘイヤジュース
?モロヘイヤは、葉をつんで洗い、水気をとる。パイナップルは一口大に切る。
??のモロヘイヤ、パイナップル、レモン汁、はちみつ、水をミキサーにかける。様子を見ながらしっかり細かくする。
?なめらかになったらグラスに注ぎ、氷を入れて出来上がり。
ポイント…モロヘイヤは葉の柔らかいものを選ぶ。