お茶の原産地は中国といわれ、日本へは平安時代に中国へ渡った僧によって伝えられたといわれます。しばらくの間、貴族や僧侶など一部の階層に限られていましたが、江戸時代になると一般大衆にも広まったようです。
〜お茶の栄養成分〜
緑茶にはカロテンやビタミンB群、ビタミンE、ビタミンCなど数多くのビタミン類を含みます。もともと、緑茶が伝わった当初は薬用として飲まれていたようです。注目はカテキン。
〜カテキンとは…〜
カテキンとはポリフェノールの一種で、緑茶の渋みの素となる成分です。糖尿病や心筋梗塞といった生活習慣病の予防や脂肪を減少させる働きがあります。
ほかに、強い殺菌作用があり、食中毒予防や口臭予防、虫歯予防などにも働きます。
特に緑茶は紅茶やウーロン茶に比べカテキンが多く含まれています。
●今日の料理
緑茶カステラ
?緑茶はすり鉢で細かくする。はちみつに牛乳を混ぜる。強力粉をふるいにかける。型に敷き紙を敷く。
?ボウルに卵を入れて軽くかき混ぜ、砂糖を加えて混ぜる。50℃程度の湯せんにかけながら泡立てる。卵が人肌になったら湯せんからはずし、さらに泡立てる。しっかり泡立ち、リボンが描けるようになったら、?のはちみつ牛乳を少しずつ混ぜる。?の強力粉をもう一度ふるいながら5〜6回に分けて入れる。さらに?の緑茶を加えて混ぜる。
?型の底にザラメを散らす。?のカステラ生地を流し、一度表面をならして泡切りする。さらにナイフなどを生地に垂直に差し込み、切るようにして縦横に動かして泡切りをし、泡が出てきたら表面をなでるようにして泡を消す。
?170℃のオーブンで7〜8分焼き、さらに150℃で30分ほど焼く。粗熱を取りラップに包んで半日以上おく。2cm幅に切り分けて出来上がり。
ポイント…卵をしっかり泡立てる。
緑茶の焼き飯
?塩鮭はグリルで焼き、身をほぐす。青しそは1cm角に切り、水洗いして水切りする。
?フライパンにバターを溶かし、ごはんを炒める。バターがなじんだら緑茶を入れて混ぜる。?の塩鮭と青しそを加え、塩、こしょうで味を調える。
?器に盛り、白ごまを散らして出来上がり。
ポイント…鮭に塩気があるので塩を控えめに加える。
その名の通り、修験道の行者たちが山の奥深くにこもり、厳しい修行を行った際に食べた山菜といわれ、山形県の庄内地方が名前の発祥のようです。
〜行者にんにくの栄養成分〜
行者にんにくにはカルシウムや鉄といったミネラルやカロテン、ビタミンCといったビタミン類も豊富に含まれ滋養強壮にすぐれた食材です。注目は硫化アリル。
〜硫化アリルとは…〜
硫化アリルとは硫黄を含む有機化合物で、にんにくやネギ類の刺激臭の素となる成分。
疲労回復に働くビタミンB1の吸収を高める働きや、免疫力をアップさせる働きなどがあります。
また、内臓脂肪の燃焼の働きもあり、メタボが気になる方にもおすすめの食材。
●今日の料理
行者にんにくのくるくる焼き
?行者にんにくは洗って、根元の薄皮をむく。
?豚薄切り肉を縦に4枚並べ、塩、こしょうを振る。?の行者にんにくの半量を肉の上に並べ、手前からくるくると巻いていく。残りの豚薄切り肉4枚も同様に巻いていく。
?フライパンに油を温め、?の肉の巻き終わりを下にして焼く。フタをして中火で3分ほど加熱し、フタを取って全体に焼き色がつくように転がしながら焼く。
?一口大に切り分けて出来上がり。
ポイント…全体を押さえながらしっかり巻く。
行者にんにくの酢みそ和え
?行者にんにくは洗って熱湯でさっと茹でる。すぐに冷水で冷やし、根元の薄皮をむく。軽く絞って3cm長さに切る。しょうがは細いせん切りにし、水洗いして水気を切る。
?イカは下処理をして軟骨を取って洗う。沸騰したお湯に分量外の塩を入れて3分程度茹でる。完全に火が通ったら冷水で冷やし、皮をむく。1cm幅の輪切りにする。
?みそに酢、砂糖を混ぜて酢みそを作る。?の行者にんにくと?のイカを酢みそで和える。
?器に盛り付け、?のしょうがを飾って出来上がり。
ポイント…行者にんにくは茹ですぎないこと。
のりは加工品でありながらその歴史は古く、飛鳥時代以前から作られていたようで、神に捧げる供物としても尊ばれていました。
その後、江戸時代に庶民にも広まり、全国各地で養殖が行われるようになりました。
その中でも九州有明産が高級のりとして有名です。
〜のりの栄養成分〜
のりは海藻を乾燥させた加工品なので、ビタミンやミネラルが凝縮された形で含まれています。また、タンパク質も大豆と同じぐらい豊富なので“海の大豆”とも呼ばれています。注目はビタミンB12。
〜ビタミンB12の働き〜
ビタミンB12は水溶性のビタミンで、主に動物性食品に多く含まれています。赤血球のDNAの合成に深く関与しており、不足すると正常な赤血球が作られなくなり、悪性貧血のおそれが出てきます。このような働きから、別名「造血ビタミン」とも呼ばれています。
ほかに不眠や肩こり、腰痛といった神経障害の改善にも働きます。
●今日の料理
のりと高野豆腐のお焼き
?のりは2cm角程度にちぎる。高野豆腐はぬるま湯で戻し、押し洗いして臭みを取る。よく絞って細かくちぎる。長芋は皮のまますりおろす。しょうがもすっておく。
?すった?の長芋にしょうが、酒、しょうゆを混ぜる。
?ボウルに?ののり、高野豆腐、?の長芋を入れ、薄力粉を加えてよく混ぜ、お焼きの生地を作る。
?フライパンに油を温め、?の生地をスプーンですくって形を整えて焼く。(中火で片面2〜3分ずつ) しっかり焼き色がつき、表面がかりっとしたら出来上がり。
ポイント…高野豆腐はしっかり絞る。
のりのスープ
?のりは細かくちぎる。えのきだけは1cm長さに切る。万能ねぎは小口切りにする。
?鍋に水、鶏ガラスープ顆粒、酒、?のえのきだけを入れて沸騰させる。沸騰したら、?ののりを入れ、しょうゆ、こしょうで味を調え、ゴマ油を加えて火を止める。
?器に盛り、?の万能ネギを散らして出来上がり。
ポイント…材料を入れたら加熱しすぎないこと。
春を代表する食材の一つたけのこ。竹の種類は500種類にも及びますが、私たちが食べるのはモウソウチクやネマガリダケ、マダケなど9種類ほどです。ちなみにたけのこの代表ともいえるモウソウチクは中国原産で、江戸時代に伝わったようです。
〜たけのこの栄養成分〜
たけのこは90%以上が水分で、食物繊維も豊富に含まれているので、ダイエットや便秘予防におすすめです。タンパク質は野菜類の中では比較的多く含まれていますが、ビタミンやミネラルはあまり多くは含まれていません。注目はたけのこの旨み成分。
〜たけのこの旨み成分〜
たけのこにはアスパラギン酸やチロシンといった旨み成分が含まれており、旨みだけでなく体への働きもあります。
アスパラギン酸とはアスパラガスから発見されたアミノ酸の一種で、栄養剤にも利用されているようにエネルギー源として使われ疲労回復に働きます。また、肝機能の促進や体内の老廃物の排泄、皮膚の代謝の活性化などの働きもあります。
チロシンもアミノ酸の一種で、たけのこを切ったときに見える白い粉がチロシン。脳機能を活性化させ、やる気を起こさせる働きがあります。
●今日の料理
たけのこの田楽
?たけのこは皮を3枚ほどはいで、先を斜めに切り、縦に切れ目を入れて鍋に入れる。ぬか、唐辛子を入れ、水をひたひたに注いで火にかける。沸騰したら中弱火で40〜50分ゆでる。たけのこに箸が通るのを確かめて火を止め、そのまま半日から1日おく。
?ゆでた?のたけのこの皮をむき、洗ってくし型に切る。
*残ったたけのこは水に漬けて冷蔵庫で保存する。
?白みそ、白すりごま、酒を混ぜ、ごまみそを作る。みそ、削り節、酒を混ぜておかかみそを作る。
??のたけのこに?のみそをそれぞれ塗る。グリルに並べ、中火で3〜4分軽く焦げ目がつくまで焼く。
?器に?のたけのこを盛り付けて、出来上がり。
ポイント…みそが焦げやすいので注意する。
たけのこの中華風炊きおこわ
?うるち米ともち米を合わせてとぎ、水に漬けて30〜40分吸水させ、ザルにあげて30分ほど水切りする。ゆでたたけのこを2cm角に切る。干ししいたけ、干しえびは1カップのぬるま湯に20分ほどつけて戻し、1cm角に切る。豚肉は1cm角に切り、砂糖、酒、しょうゆで下味をつける。長ネギ、しょうがはみじん切り。にんじんは1cm角に切る。
??の干ししいたけと干しえびの戻し汁に水を加えて350mlにし、鶏ガラスープ顆粒、しょうゆ、酒を混ぜておく。
?フライパンにごま油を温め、?の干しえび、しょうが、長ネギ、豚肉を順に入れて炒める。豚肉に軽く火が通ったら、?の干ししいたけ、にんじん、たけのこを炒め、水切りした米を入れて透明になるまで炒める。米が透明になってきたら、?のだし汁を加えて沸騰させる。沸騰したら炊飯器に移して普通に炊く。
?炊きあがったら全体を混ぜ、器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…米をしっかり炒めてから、だし汁を加える。
鶏のササミは胸肉の近くにある部位で、牛肉や豚肉でいうところのヒレ肉にあたります。形が笹の葉に似ているところからササミとなったようです。
〜鶏ササミの栄養成分〜
鶏ササミの主成分はタンパク質で、肉類の中では脂質がかなり少ないので、脂肪をつけずに筋肉をつけたい方にはおすすめの食材です。ほかに疲労回復のビタミンB1や皮膚や粘膜の健康維持に働くナイアシンなども多く含まれています。注目はビタミンB6とビタミンK。
〜ビタミンB6・ビタミンKとは…〜
ビタミンB6は水溶性のビタミンで、分解されたアミノ酸がタンパク質に再合成されるのを手助けする補酵素です。健康な皮膚や粘膜、髪をつくる働きやタンパク質からエネルギーを作る働きに関与しています。
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、血液の凝固に関わる働きがあります。また、骨にあるタンパク質を活性化させ、骨の形成を促進させる働きもあります。
●今日の料理
鶏ササミのアンチョビカツ
?鶏ササミは包丁を入れて開き、こしょうをふる。にんにくはみじん切り、アンチョビは粗く刻む。
?大さじ3のパン粉を中火で3〜4分乾煎りし、きつね色になったら取り出す。
?大さじ1の油で、?のにんにくとアンチョビを炒め、香りが出たら?のパン粉入れて火を止めて混ぜる。開いた?のササミにはさんで形を整える。
??に小麦粉、卵、パン粉を順につけて、170℃のナタネ油できつね色になるまで揚げる。粗熱をとり、一口大に切る。
?レタスやトマトと共に器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…鶏ササミにアンチョビをはさんだあときちんと形を整える。
鶏ササミのスープご飯
?厚手の鍋に水、固形ブイヨンを入れて火にかける。沸騰したら塩、しょうゆ、こしょうで味をととのえてスープを作り、鶏ササミを入れる。鶏ササミの表面が白くなり、再沸騰したら火を止めてふたをする。そのまま10分ほどおく。
?レタスは1cm角、にんじんは1cm角の薄切り、えのきだけは1cm長さに切る。万能ネギは小口切りにする。
?スープから?の鶏ササミを取り出し、中まで火が通っているか確認する。(火が通っていなければもう一度熱いスープに入れる) ラップをして粗熱をとり、細かく裂く。
?スープに?のにんじんとえのきだけを入れて加熱する。にんじんが軟らかくなったらレタスを入れ、沸騰させて火を止める。
?器にご飯を盛り、?のスープをかけ、?の鶏ササミ、?の万能ネギをのせて出来上がり。
ポイント…鶏ササミが乾かないように注意する。