クレソンの原産地はヨーロッパといわれ、日本へは明治の始めごろに入ってきたようです。もともとクレソンとはフランス語で、和名ではオランダガラシといいます。その名の通りピリッとした辛みが特徴の野菜です。
〜クレソンの栄養成分〜
クレソンにはカルシウムや鉄といったミネラルや、風邪予防のβーカロテンやビタミンCなどのビタミン類が豊富に含まれており、非常に栄養価の高い野菜です。注目はシニグリン配糖体。
〜シニグリン配糖体とは…〜
シニグリン配糖体とはクレソンのピリッとする辛みの素となる成分で、大根やわさびにも含まれている成分です。
胃腸の働きを高め、消化吸収をよくする働きがあるほか、血液の酸化防止や抗菌作用、疲労回復、口臭予防といった働きもあります。
洋食の肉料理に付け合せとしてクレソンが使われますが、味だけではなく、上記のような働きも考えられているようです。
●今日の料理
クレソンと長芋のからし和え
?クレソンは洗って水気を切り、3cm長さに切る。長芋は皮をむいて太めのせん切りにする。
?練りからしにしょうゆを少しずつ加えて混ぜ、?のクレソンと長芋を軽く和える。
?器に?を盛り付け、しらす干しをのせて出来上がり。
ポイント…長芋の粘りが出ないよう、軽く和える。
クレソンのホットドレッシングサラダ
?クレソンは洗って水切りし、4〜5cm長さに切る。パプリカは薄切りにし、生ハムは一口大に切る。
?パンは1cm角に切って、フライパンで乾煎り(中火で3〜4分)し、クルトンを作る。
?熱に強いボウルに?のクレソンとパプリカを入れ、軽く合わせる。
?小鍋にマヨネーズ、牛乳、酢、塩、こしょうを入れて混ぜ、火にかけて沸騰させホットドレッシングを作る。熱いうちに?のクレソンの上にかけて混ぜる。
?器に?を盛り、?の生ハム、粉チーズ、?のクルトンをのせて出来上がり。
ポイント…ホットドレッシングは熱いうちに野菜にかける。
鯛は長生きで子どもをたくさん産むこと、また「めでたい」という語呂あわせで、昔から日本のお祝い事には欠かせない魚です。産卵前のこの時期が桜ダイと呼ばれ珍重されています。
〜鯛の栄養成分〜
鯛は比較的脂質が少ないうえに、タンパク質が多く含まれているので、脂質が多い食生活の方におすすめです。また、ビタミンB1やB2などのビタミン類、カリウムや亜鉛といったミネラルも豊富に含まれます。注目はビタミンB1とタウリン。
〜ビタミンB1とタウリンで疲労回復〜
ビタミンB1は水溶性のビタミンで、エネルギー源である糖質の代謝を助ける働きがあり、疲労回復が期待できます。
タウリンはアミノ酸の一種で、肝臓を活性化させる働きがあり、こちらも疲労回復作用があります。
新年度が始まり、新社会人や新入学生など環境が変わるときは疲労が伴います。そんな方々にはお祝いの意味も含めて鯛はいかがでしょうか。
●今日の料理
鯛刺身の中華サラダ
?鯛の刺身は薄く切り、ごま油で軽く和える。水菜は洗って3cm長さに切り、水切りする。万能ネギは斜め薄切りにする。ミニトマトは4つに切る。餃子の皮はオーブントースターでカリカリに焼く。
?酢、しょうゆ、砂糖、ごま油、ラー油を混ぜ中華ドレッシングを作る。
?器に?の水菜と万能ネギを盛り、鯛をのせてミニトマトを飾り、焼いた餃子の皮を砕いてのせる。?の中華ドレッシングを添えて出来上がり。
ポイント…野菜の水気はきちんととる。
鯛の桜蒸し
?鯛は塩少々を振る。長芋は皮をむいてすりおろし、白だしと水を加えてよく混ぜる。桜の花と葉は水洗いしておく。(塩気が強い場合は5分ほど水につけておく)
?器に?の桜の葉を敷き、鯛をのせる。?の長芋を上からかけ、桜の花をのせる。
??を蒸気の上がった蒸し器で10分蒸す。青海苔を振って出来上がり。
ポイント…長芋と水分をムラなく混ぜる。
うどの原産地は日本で、平安時代の書物に記述があるほど古くから食べられてきた野菜です。特に東京近郊での栽培が盛んで、江戸時代は初物を好む江戸っ子が、春先に好んで食べていたようです。
〜うどの栄養成分〜
うどはほとんどが水分で低エネルギーなうえ、食物繊維も豊富なので、ダイエットや便秘解消におすすめの食材です。ビタミンやミネラルはあまり多く含まれていません。注目はリモネンとアルカロイド。
〜リモネン・アルカロイドとは…〜
リモネンとはうどの爽やかな香りの素となる精油成分で、脳や副交感神経を刺激して精神を安定させる働きがあります。(リラックス作用・血行促進・新陳代謝向上)
アルカロイドとは植物に含まれる有機化合物で、うどの苦味の素となる成分です。腎臓の代謝機能を活性化させる働きがあり、血液の解毒作用と利尿作用を高めます。(免疫力向上・新陳代謝向上)
春は気温の変化が激しく、体調を崩しやすい時期。また、環境の変化などで精神も不安定になりやすい時期です。うどのこの2つの成分は新陳代謝を高め、気温の変化に順応できる体を作り、精神を安定させるのに効果的です。
●今日の料理
ウドのマリネサラダ
?水2カップに酢大さじ1弱を入れて酢水を作っておく。ウドは皮をむいて5mm厚さの斜め切りにし、すぐに酢水につけてアク抜きをする。(3〜4分つける) レタスは洗って水切りし、一口大にちぎる。グレープフルーツは皮をむいて食べやすい大きさに割る。ハムは一口大に切る。
?沸騰したお湯に酢を小さじ2ほど入れて、?のウドをゆでる。(1分程度) 冷水で冷やし、水気を切る。
?ボウルに酢、塩、オリーブオイルを入れて混ぜ、?のウド、?のレタス、ハム、グレープフルーツを和える。10分ほどなじませて出来上がり。
ポイント…ウドは加熱しすぎないこと。
☆むいたウドの皮はせん切りにしてキンピラに!
ウドとわかめのパスタ
?酢水を作っておく。ウドは産毛をこそげて洗い、5cm長さに切り、薄く切ってせん切りにする。すぐに酢水につける。(3〜4分つける) わかめは水洗いして3分ほど水につけて戻し、絞って2cm幅に切る。エビは殻と背わたを取り、酒を振っておく。まいたけは食べやすい大きさに分ける。
?たっぷりのお湯に塩を加え、パスタをゆで始める。
?フライパンに油を温めて、?のエビとまいたけを炒める。?のウドとわかめも入れ、油がなじんだら、ゆであがった?のパスタを加える。
?塩、ブラックペッパー、しょうゆで味を調えて出来上がり。
ポイント…材料や食器を準備し、手際よく作る。
きくらげは世界中の温帯に広く分布しており、日本でも年間40トン近く生産されています。主に、日本をはじめとする東アジアで食用とされており、干したクラゲのようなコリコリとした食感が特徴です。
〜きくらげの栄養成分〜
きくらげの主成分は炭水化物ですが、ほとんどが食物繊維なのでエネルギー量が低くダイエットや便秘予防におすすめです。また、カルシウムや鉄などのミネラルも含まれています。注目はエルゴステリン。
〜エルゴステリンとは…〜
エルゴステリンはビタミンDの前駆体で、体内に入ったエルゴステリンは紫外線にあたることによってビタミンDに変換されます。
変換されたビタミンDはカルシウムの吸収を促進させ、さらに骨への沈着を促進させる働きがあります。(骨の強化)
●今日の料理
きくらげの中華炒め
?きくらげはぬるま湯に15分くらいつけて戻す。洗って石突きを取り、食べやすい大きさに切る。セロリは5mm厚さの斜めうす切り、鶏ササミも同じ大きさに切る。しょうがはみじん切りにする。
?フライパンにゴマ油を温め、?のしょうが、鶏ササミ、セロリ、きくらげの順に加え、しょうゆ、酢、ラー油で味付けして出来上がり。
ポイント…セロリときくらげを加熱しすぎない。
きくらげの卵とじ丼
?きくらげはぬるま湯に15分くらいつけて戻す。洗って石突きを取り、食べやすい大きさに切る。にんじんはせん切り、万能ネギは3cm長さに切る。
?鍋にだし汁、みりん、しょうゆ、塩を入れ、?のきくらげ、にんじんを入れて2〜3分煮る。にんじんが軟らかくなったら?の万能ネギ、揚げ玉を入れ、軽く溶いた卵を流し入れる。ふたをして火を止める。
?器にご飯を盛り、?の卵とじをかけて出来上がり。
ポイント…早めに火を止めて、余熱で蒸らす。
バターは牛や羊の乳を利用した加工食品としては、最も古い歴史を持っており、インドの古い経典には紀元前2000年頃、すでにバターらしきものが作られていたという記録があります。
日本で本格的に広まったのは明治になってからのようです。
〜バターの栄養成分〜
バターは乳から脂肪分を取り出した製品なので、主成分は脂質になります。ほかにもカルシウムや鉄といったミネラルや老化防止のビタミンEなども含まれています。注目はレチノール。
〜レチノールとは…〜
レチノールとはビタミンAの一種で、肉や魚、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。
ビタミンAと同様に皮膚や粘膜を健康に保ち、免疫力をアップさせる働きがあります。(風邪予防・美容)
また、目の網膜にある視覚情報を伝達するロドプシンという物質の材料となります。(疲れ目改善)
●今日の料理
クッキー
?バターを室温にし、泡立て器で白っぽくなるまでかき混ぜる。(1〜2分) 塩と粉砂糖を入れ、さらにふんわりと空気を含むくらいによく混ぜる。卵黄を加えてさらに混ぜる。(泡立て器についたバターをきちんととる) 薄力粉とアーモンドパウダーをふるいながら加え、練らないように混ぜる。まとまったらラップに包んで形を整え、1〜2時間冷蔵庫で休ませる。
??のクッキー生地を取り出し、オーブンペーパーではさんで3〜4mm厚さにのばす。冷蔵庫で30分ほど冷やす。
??の生地を取り出し、好みの型で抜き、170℃のオーブンで12分程度焼く。室温に冷まして出来上がり。
ポイント…生地が軟らかくなったら冷蔵庫で冷やしてから作業する。
レモンバターソースのムニエル
?魚は食べやすい大きさに切り、塩・こしょうで下味をつける。長いもはひげ根を取り、1cm厚さの半月切りにする。菜の花は洗って水気を取り、3cm長さに切る。パセリはみじん切りにし、洗って水気を絞っておく。
?レモンバターを作る。室温のバターをクリーム状に練り、レモン汁、レモンの皮、?のパセリ、こしょう、ガーリックパウダーを混ぜる。ラップにのせて棒状にまとめ、冷蔵庫で冷やす。
??の魚の水気をふき、強力粉をつける。
?フライパンにオリーブオイルをあたため、?の魚と?の長いもを入れる。焦げ目がついたら裏返し、バターを加える。ふたをして中弱火で2〜3分蒸し焼きにし、魚に火を通す。ふたをとり軽く水分を飛ばすように焼き、器に取る。そのままのフライパンに?の菜の花を入れてふたをし、1〜2分蒸し焼きにして塩・こしょうで味を調える。
?器に?の菜の花も盛り付け、魚の上に?のレモンバターを添えて出来上がり。
ポイント…魚は仕上げに表面を焼き、香ばしくする。