そもそも、もやしは豆類や穀類などの種を発芽させ成長させたものすべてをいいます。主なもやしは豆が付いた大豆もやし、よく見かける豆が付いていないもやしはブラックマッペという豆を発芽させたもの。そして緑豆もやしの3種類です。そのほかにアズキやカブ、ソバなど20種類以上の植物からもやしを作ることができます。
〜もやしの栄養成分〜
もやしは発芽することによって豆や種の状態とは栄養成分が変化します。豆が持つタンパク質も残しつつ、豆のときにはわずかしかなかったビタミンCが生まれます。ほかにビタミンB群や鉄なども豊富に含まれます。
また、豆の状態よりももやしになることで消化のよい状態になり、エネルギー量は減少するので女性や肥満の気になる方にもおすすめ。
●今日の料理
もやしハンバーグ
?もやしは2cm程度のざく切りにする。れんこんはすりおろしておく。貝われ大根は根を切り水洗いして水気をきる。
?ボウルに鶏ひき肉を入れ、塩、こしょうをして、しっかりもみ込んでねばりを出す。?のれんこんを汁ごと加える。さらに?のもやしを入れ、もやしをつぶさないように全体を混ぜ、4等分し小判形に整える。
?フライパンに油を温めて?のハンバーグを焼く。(フタをして中弱火で片面3分ずつ)
?しょうゆ、砂糖、みりんを混ぜてフライパンに加え、水分を飛ばしながら照りをつけて出来上がり。
ポイント…もやしをつぶさないように混ぜる。
もやしのエスニックスープ
?もやしはひげ根をとる。しめじは石づきを取り、小房に分ける。青しそはせん切りにし水洗いする。レモングラスはだし袋などに入れておく。
?鍋に水、鶏がらスープ顆粒、ナンプラー、豆板醤、レモングラス、しょうがを入れ火にかける。沸騰したらえびと?のしめじを入れ中火で3〜4分煮る。レモングラスを取り出し、?のもやしとミニトマトを入れ、塩とレモン汁で味を調え火を止める。
?器に盛り付けて、?の青しそをのせ、レモンを添えて出来上がり。
ポイント…もやしを加えたら加熱しすぎない。
柿の原産地は中国の揚子江流域といわれています。日本へは奈良時代に伝わり、砂糖が一般的ではない時代の貴重な甘味でした。その後、日本で改良された柿は江戸時代にアメリカに渡り、世界中に広まりました。ですから、現在でも欧米ではKAKIという名前で流通しています。
〜柿の栄養成分〜
柿の主成分は炭水化物で、ほかに風邪予防に働くカロテンやビタミンCが豊富に含まれています。特にビタミンCはレモンに匹敵するほどの含有量を誇ります。
注目はシブオールとアルコールデヒドロゲナーゼ
〜シブオール〜
シブオールとは柿の渋みの素でタンニンの一種。甘柿渋柿問わず、すべての柿に含まれており、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドと結合して体外に排出する働きがあります。
〜アルコールデヒドロゲナーゼ〜
アルコールデヒドロゲナーゼとは、酵素の一種でアルコール脱水素酵素とも呼ばれます。アルコールをアセトアルデヒドに分解し、さらに酢酸などの変換してアルコールを無毒化する働きがあります。
●今日の料理
柿の寒天寄せ
?柿はヘタ部分を切り、柿の果肉をスプーンでこそげるように取る。ヘタの果肉も同様に取る。
?水と粉寒天を鍋に入れて煮溶かし、火を止めて砂糖を混ぜる。砂糖が溶けたら、?の柿とブランデーを加え、手早く混ぜる。
?ラップを敷いた容器(茶碗など)に?の寒天液を流す。ラップの口をしぼめ輪ゴムなどで縛って形が整うようにし、冷蔵庫で冷やし固めて出来上がり。
ポイント…ムラの無いように寒天液と柿を手早く混ぜる。
柿のサラダ
?柿は皮をむいて半分に切り、5mmのうす切りにする。りんごも同様の大きさのいちょう切りにする。生ハムは2cm幅程度に切る。
?ボウルに?を入れ、オリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうで味を調える。
ポイント…固めの柿を使う
えのきたけは1年中店頭にならぶきのこですが、きのこ類ではシイタケに次ぐ生産量を誇ります。一般的に売られている白いえのきたけの他に、最近ではブラウンえのきという天然物と栽培品の交配種も売られています。
〜えのきたけの栄養成分〜
えのきたけはきのこ類の中でもビタミンB1、B2を多く含みます。また、えのきに限らずきのこ類はエネルギー量が低いうえにビタミンやミネラルを豊富に含むので、とてもヘルシーな食材です。
〜ビタミンB1・B2の働き〜
・ビタミンB1は水溶性のビタミンで、主に炭水化物をエネルギーに変える働きがあります。また、筋肉疲労で溜まる乳酸の燃焼にも関与することから疲労回復のビタミンとも呼ばれています。
・ビタミンB2も水溶性のビタミンで、特に脂質をエネルギーに変える働きに大きく関与しています。また、細胞の発育と正常な働きにも作用しているので成長ビタミンとも呼ばれています。不足すると、発育不良や肌荒れ、口内炎などのおそれも出てきます。
●今日の料理
えのきの煮浸し
?えのきたけは下から2cm程度のところを切り、おがくずなどを取り除き、2〜3等分の長さに切る。みつばは飾り用の葉を少し残し、3cm長さに切る。
?小鍋に?のえのきたけを入れ、酒、水、白だしを振りかけてふたをする。火にかけ沸騰したら弱火で2〜3分蒸し煮する。えのきに火が通ったら塩で味を調える。
??のみつばとカニむき身をのせ、更に1分蒸す。
?器に盛り付け、飾り用の?のみつばをのせて出来上がり。
ポイント…食感を活かすため、蒸しすぎないこと。
えのきうどん
?えのきたけは下から2cm程度のところを切り、おがくずなどを取り除き、2〜3等分の長さに切る。豚肉は2cm幅に切り、しょうゆと酒で下味をつける。白菜、にんじんはせん切り、長ネギの緑の部分少々は飾り用に刻み、残りの長ネギとしょうがはみじん切りにする。
?鍋にゴマ油を温め、?の長ネギとしょうがを入れて炒める。香りが出たら?の豚肉を入れて焦げ目がつくまで炒める。?の白菜とにんじんを入れて炒める。
??のえのきを入れ、水、鶏がらスープ顆粒、酒を加えて沸騰させる。アクを取り、しょうゆ、こしょうで味を調える。
?うどんを湯通しし、器に盛って?のスープをかける。?の飾り用長ネギを散らして出来上がり。
ポイント…豚肉を焦げ目がつくまで炒めてから野菜を入れる。
サンマは夏場にエサとなる動物プランクトンの豊富な北海道や千島沖を回遊し、脂肪を蓄積して8月中旬から南下を始めます。その後、秋には本州の太平洋沿岸でまるまる太ったサンマが獲れます。
〜サンマの栄養成分〜
サンマは良質のタンパク質が豊富で、ビタミンAやD、B12といったビタミン類も多く含み、とても栄養価の高い魚です。
注目はDHA。
〜DHAの働き〜
DHAはドコサヘキサエン酸という、私たちの体内では作り出すことができない不飽和脂肪酸です。特に脳細胞に多く存在しており、脳の神経細胞を活性化させる。視神経の伝達をスムーズにするなどの働きがあります。
脂肪酸にはDHAやオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸と肉類などに含まれる飽和脂肪酸に分けられます。体内の脂肪酸のバランスが崩れると生活習慣病の原因となるおそれもあるので、肉類中心の食生活の方はサンマなどの青魚がおすすめです。
*ただし食べすぎは肥満の原因となるので注意してください。
●今日の料理
サンマのしょうが焼き
?サンマは下処理をして3枚におろす。腹骨をすき取り、背びれも取る。長さを2等分にする。しょうが、にんにくのすりおろしとしょうゆを混ぜ、サンマに下味をつける。
?玉ねぎは縦半分に切り、半月のうす切りにする。ピーマンも同様のうす切りにする。
?フライパンに油を温め、?のサンマを焼く。(中火で1〜2分) きれいな焼き色がついたら裏返し、周りに?の玉ねぎを入れる。フタをして2分ほど蒸し焼きにする。
?サンマに火が通ったらサンマだけを取り出し、フライパンに?のピーマンを加える。軽く炒めてしょうゆとみりんを合わせて回しかけ味付けする。
??のサンマと炒めた野菜を一緒に盛り付けて出来上がり。
ポイント…火が強いと焦げやすいので注意する。
サンマのみぞれ和え
?サンマの酢じめを作る。サンマの刺身に塩を振り、冷蔵庫で1時間ほどおいて水気を出す。さっと水で洗って酢に漬け、好みのシメ加減にする。(冷蔵庫で20〜30分)
?大根はおろして水気をきる。菊は花びらをむしってさっと茹で、冷水にとって水気を絞る。万能ネギは斜めうす切りにして水につける。
?ボウルに?の大根おろしと菊を入れ、酢、砂糖、塩で味を調える。さらに酢でしめた?のサンマを入れて和える。
?器に盛り、?の万能ネギを飾って出来上がり。
ポイント…大根や菊の水気を取ってから和える。
大豆を未成熟なうちに枝ごと収穫することから枝豆と呼ばれるようになりました。大豆の原産地は中国といわれ、弥生時代ごろに日本へ伝わったそうです。青森県には茶色い毛が特徴的な毛豆という枝豆がありますが、これは青森県に古くからある在来種だそうです。
〜枝豆の栄養成分〜
枝豆は豆類のタンパク質と野菜類のビタミンを併せ持った食材で、ビタミンミネラルだけでも非常に多く含みます。また、大豆にはないカロテンやビタミンCも含まれているのが特徴です。注目はタンパク質。
〜枝豆のタンパク質〜
タンパク質は三大栄養素の一つで、分解されたアミノ酸は私たちのあらゆる器官の材料となる成分です。しかし、アミノ酸は身体の材料に使われる以外にも働きがあります。
・メチオニンは主に肝臓で働き、アルコールや毒素を無毒化し代謝を促します。
・グルタミンは主に胃で働き、痛んだ粘膜の再生を促します。
・アルギニンは主に血管で働き、血管を拡張させ血流を改善します。
このように、枝豆は栄養的にもお酒のつまみとしておすすめの食材です。
●今日の料理
枝豆のあんかけご飯
?にんじんは5mm角に、玉ねぎ、エリンギ、なすは1cm角程度に切る。(なすは水につけてアク抜きする)
?鍋に油を温め、豚挽き肉、?の玉ねぎを炒める。しんなりしたら、他の?の野菜も順に炒め、だし汁を加えて煮込む。(中弱火で10分ほど)
??の野菜が柔らかくなったら枝豆を加え、水、酒、しょうゆ、カレー粉、片栗粉を合わせて混ぜる。2〜3分なじませて塩で味を調える。
?器にご飯を盛り、?の枝豆あんをかけて出来上がり。
ポイント…枝豆を入れたら煮過ぎないこと。
枝豆の冷やしもち
?枝豆はフードプロセッサーにかけて細かくする。
?厚手の鍋に片栗粉、砂糖、塩、水を入れてダマの無いように混ぜる。?の枝豆を入れてかき混ぜながら火にかけ、沸騰したら弱火にして1分程度練り上げる。
?バットなどにクッキングペーパーを敷き、きな粉を広げて、練りあがったら?のもちをのせる。上にもきな粉を振り、厚さを均一にして冷ます。
?べたつかないようにきな粉をつけながら包丁で切り分ける。冷蔵庫で1〜2時間冷やして器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…生地は弱火で加熱しながら充分練り上げる。