オクラの原産地はアフリカ北東部といわれ、エジプトでは紀元前後から栽培されていた歴史の古い野菜です。日本に入ってきたのは明治初期ですが、本格的に出回るようになったのは1970年代になってからです。ちなみにオクラは英語で、日本語名はアメリカネリやオカレンコンというそうです。
〜オクラの栄養成分〜
オクラは緑黄色野菜なので、カロテンやビタミンB群、ビタミンCなど様々な栄養成分が含まれています。ポイントとしてはあまり火を通しすぎない調理法がおすすめです。注目はペクチンとムチン。
〜ペクチン・ムチンの働き〜
ペクチンとは水溶性食物繊維でジャムのネバネバと同様の成分です。
・余分なコレステロールを排出する。(生活習慣病予防)
・腸内をきれいにする。(便秘・下痢予防)
ムチンとは糖とタンパク質の複合成分で、私たちの胃の中や目などの粘膜の部分に含まれています。
・胃や腸の粘膜を保護する。(胃潰瘍・胃炎予防)
・タンパク質の消化促進。(疲労回復)
・腸内環境を整える。(免疫力アップ・便秘予防)
※現在では、ムチンは植物には見られない動物性の粘液成分を指すという知見があります。 オクラの注目成分について、「ペクチンとムチン」との記載は、2009年の掲載当初のものです。
●今日の料理
オクラのジャジャ麺風
?オクラは塩で産毛をこすり、沸騰した湯で色よく茹でる。冷水にとって冷まし、縦半分に切ってから斜め薄切りにする。ネギ、にんにく、しょうがはみじん切りにする。
?ごま油で、?のにんにく、しょうが、ネギを炒め豚ひき肉を入れて更に炒める。テンメンジャン、しょうゆ、酒、オイスターソースで味付けし、分量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。
?うどんをゆでて冷水で洗う。器に盛り付け、?の肉みそをかける。上に?のオクラをのせて出来上がり。
ポイント…オクラはゆですぎないように。
オクラと夏野菜のカポナータ
?オクラは塩で産毛をこすり、洗って半分に切る。玉ねぎ、なす、ズッキーニ、かぼちゃ、トマトは一口大に切る。にんじんは少し小さめに切る。しめじは石づきを取ってほぐす。
?オリーブオイルで?の玉ねぎをしっかり炒める。トマト以外の?の野菜を順に入れながら炒め、全体に油がなじんだらトマトを入れてフタをして炒める。(弱火で3分ほど)
トマトの水分が出てきたら、固形ブイヨン、ローリエを入れて煮込む。(15〜20分)
?塩、こしょうで味を調え、野菜が柔らかくなったら?のオクラを入れ、水分がなくなるまで煮込んで出来上がり。(10分ほど)
ポイント…玉ねぎをしっかり炒めてから煮込む。
クリームチーズはアメリカ発祥の軟らかいチーズで、一般的には熟成されておらず、乳酸菌の働きによるほのかな酸味と乳脂肪のコクが特徴です。お菓子や料理に使われるだけでなく、そのままパンに塗って食べてもおいしい。
〜クリームチーズの栄養成分〜
主成分は脂質でほかにタンパク質やカルシウム、レチノール、ビタミンB2などが多く含まれており栄養価の高い食材です。注目はカルシウム。
〜カルシウムの働き〜
カルシウムは骨や歯の構成成分ですが、1%ほど血液や体液中にも存在しており様々な働きをしています。
・神経伝達の調整(イライラ防止)
・内蔵機能の調整
・心臓や筋肉を正常に動かす
・血液を弱アルカリ性に保つ
日本人は様々な栄養成分の中で、カルシウムが最も不足していると言われています。上記のようにカルシウムには骨以外にも様々な働きがあるので意識して摂取する必要があります。
●今日の料理
クリームチーズのポタージュ
?クリームチーズは室温に置いて柔らかくする。長いもは皮をむいて50g準備し、すりおろす。パセリはみじん切りして洗い、水切りする。
?鍋に分量の水とコンソメ顆粒を入れ火にかける。スープが温まってきたら、?のクリームチーズにお玉1杯分のスープを入れてかき混ぜ、鍋に戻す。
?沸騰前に?の長いもを加えてかき混ぜ、とろみをつける。塩、こしょうで味を調えて火を止める。
?器に盛り、?のパセリを散らして出来上がり。
ポイント…長いもを加えたらすぐにかき混ぜる。
レアチーズケーキ
?厚手のポリ袋にビスケットを入れ、めん棒などでたたいて細かくする。細かくしたビスケットに、室温にしたバターをよく混ぜる。グラスなどの器に入れ、押し付けて平らに敷き詰め冷蔵庫で冷やしておく。ゼラチンを分量の水でふやかし、湯せんで溶かしておく。
?クリームチーズを室温に戻し、やわらかく練る。プレーンヨーグルト、砂糖、レモン汁、すりおろしたレモンの皮を順に混ぜ、溶かした?のゼラチンを混ぜる。
?生クリームを入れたボウルを氷水で冷やしながらとろみがつく程度に泡立て、?の生地に混ぜる。
??をビスケットを敷いた?の器に流し、2時間以上冷やし固めて出来上がり。
ポイント…生クリームを泡立て過ぎないように。
桃の原産地は中国の高原地帯といわれ、紀元前から食用として栽培されていたようです。日本へは弥生時代に伝わったようで、平安時代には水菓子として珍重されていました。しかし、現在のような甘くジューシーな桃は、明治時代に入ってから登場したそうです。
〜桃の栄養素〜
桃は水分が多い果物なのでタンパク質や脂質といった三大栄養素が少ない食材ですが、繊維質と水溶性の2つの食物繊維が含まれているので、便秘予防のほか生活習慣病にもおすすめ。注目はナイアシン。
〜ナイアシンの働き〜
ナイアシンとはビタミンB群に属する水溶性のビタミンで、アルコールを分解する際に使われる成分です。また、炭水化物や脂質をエネルギーに変える働きや皮膚や粘膜を正常に保つ、血液循環を良くし冷え性の改善や頭痛の予防にも働きます。
●今日の料理
桃のオムレット
?薄力粉とコーンスターチをあわせてふるう。牛乳とバターとあわせて温める。
?清潔な乾いたボウルに卵白を入れ、グラニュー糖をひとつまみ入れて泡立てる。ふんわりしてきたらグラニュー糖を少しずつ混ぜ、しっかりしたメレンゲを作る。
?卵黄にグラニュー糖を混ぜ、白っぽくなるまで泡立てる。
??のメレンゲに?の卵黄を混ぜて、?の粉類を3〜4回に分けて混ぜる。さらに?の牛乳を混ぜる。
?オーブンペーパーに?の生地を丸くのばす。180℃のオーブンで8〜10分焼く。焼き上がったら温かいうちにラップにくるんで軽く半分に折って冷ます。
?桃は湯むきして食べやすい大きさに切り、レモン汁とブランデーをかける。
?生クリームにグラニュー糖を混ぜて泡立て、ブランデーを混ぜる。
??の生地に?の生クリームを絞り、?の桃を挟んで出来上がり。
ポイント…卵を充分泡立てる。
桃のすり流しデザート
?桃は湯むきする…包丁で皮に切れ目を入れ熱湯にくぐらせる。冷水にとって冷やし、切れ目から皮をむく。
?おろし金にレモン汁をかけ、すぐに?の桃をすりおろす。
?アロエの水をきり、?の桃と混ぜる。ラップをしてよく冷やす。
?器に冷やした?を盛り付け、ミントを飾って出来上がり。
ポイント…桃の色が変わりやすいので手早く作る。
カツオ自体は縄文時代から食べられていたようですが、鰹節の登場は室町時代に入ってからだそうです。その後、試行錯誤が重ねられ、現在のような鰹節になったのは江戸時代のことです。ちなみにインド洋のモルディブでも鰹節と似たような食材があるようです。
〜鰹節の栄養成分〜
鰹節はカツオを加工して水分を抜いたものなので、主成分はタンパク質になります。ほかに、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。注目はイノシン酸。
〜うまみ成分で減塩〜
イノシン酸は鰹節に含まれるうまみ成分です。イノシン酸自体には減塩作用はありませんが、鰹節でしっかりダシを取り、料理にうまみが多いと塩やしょうゆなどの味付けを薄くすることができ減塩につながります。
塩分の摂りすぎは高血圧や脳梗塞などの生活習慣病の要因となるので、日々の食生活からうまみ成分で減塩を心がけたいものです。
●今日の料理
鰹節でうま味めんつゆ
?3カップの水に昆布と干ししいたけを浸して30分おき、火にかけて沸騰直前に昆布を取り出す。ガーゼに包んだ鰹節を入れて再沸騰したら弱火で10分ほど煮出する
??の鰹節を取り出し、300mlほどだし汁があるのを確かめて酒、みりん、しょうゆ、塩で味付けする。火を止めて冷まし、冷やしておく。
?お好みの薬味と共にそうめんに添えて出来上がり。
うま味佃煮
?だし汁に使った鰹節、昆布、しいたけを1cm角程度に刻む。しょうがはみじん切りにする。
??のダシがらとしょうがに水1カップを加え沸騰させる。砂糖、酒、しょうゆを入れて弱火で15〜20分水分がなくなるまで煮詰める。仕上げに白ごまを混ぜて出来上がり。
ポイント…だし汁を煮詰めすぎないように。
なすの鰹節焼き
?なすは間に具を挟めるように、真ん中に切り込みを入れて1cm幅に切る。
?クリームチーズをやわらかく練り、しょうがをおろして混ぜる。このクリームチーズを?のなすの切り込みに挟める。
?薄力粉と水を混ぜて練り、?のなすにまんべんなくつけて鰹節をまぶす。
?フライパンに油をひいて?のなすを両面焼く。(中弱火で片面2分ずつ)
?器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…具が挟めるくらい、なすに切り込みをきちんと入れる。
バナナの歴史は大変古く、東南アジアでは紀元前から栽培されていたようです。日本にバナナが輸入されたのは明治30年ごろですが、現在のように店頭に並ぶようになったのは昭和に入ってからです。ただ、平均年収1万円だったその当時、バナナは1キロ1000円もする高級フルーツでした。
〜バナナの栄養素〜
バナナの主成分は炭水化物でエネルギー源となる成分です。その他に炭水化物の代謝に必要なビタミンB1やミネラル、食物繊維などを豊富に含み便秘予防におすすめです。注目は炭水化物。
〜バナナの炭水化物〜
バナナの炭水化物には、ブドウ糖、果糖、ショ糖の3種類含まれており、エネルギー供給の即効性と持続性を併せ持っています。スポーツをする方や体力仕事の方におすすめ。
また、ブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源。仕事や勉強の前にもおすすめ。
●今日の料理
バナナのココナツミルク煮
?バナナは小口切りにする。
?ココナツミルクと牛乳を混ぜて火にかけ、?のバナナを入れる。砂糖で甘味をつけ、バナナの形が崩れてきたら火を止める。粗熱をとって冷たく冷やす。
?器に盛り付け、ミントを飾って出来上がり。
バナナのカリカリ焼き
?バナナは皮をむいてボウルに入れ、フォークなどで粗くつぶす。
?玄米フレークは1つかみ分を残して?のバナナに混ぜる。耐熱皿に入れ、残しておいた玄米フレークを散らす。
?オーブントースターで3〜4分、上に焼き色がついたら出来上がり。
ポイント…バナナの形が残る程度につぶす。