酢は西洋では紀元前から、日本でも5世紀ごろから使われており、私たちにとってなじみ深い調味料です。
酢と一口に言っても、穀物を原料にした穀物酢、米が原料の米酢、果物を原料にしたリンゴ酢やワインビネガーなど原料別に様々あり、好みや料理によって使う幅が広がる調味料です。
〜酢の成分〜
酢には微量ながらカルシウムやビタミンEなども含まれていますが、主成分は酢酸です。その他にグルコン酸やクエン酸といった有機酸も含まれており、酢の酸味や旨み、香りなどを引き出す重要な成分になっています。
〜酢酸の働き〜
・糖分と一緒に摂ると肝臓や筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンをすばやく補える。
・疲労の原因物質である乳酸の生成を抑える。
・酸味と香りで食欲増進、消化吸収の向上。
以上の3つの作用で疲労回復に働きます。
●今日の料理
豚肉のすっぱい炒め煮
?豚肉は2cm幅程度に切り、おろししょうが、酒、しょうゆで下味をつける。はるさめは熱湯に2〜3分つけて戻し、食べやすい長さに切る。
?玉ねぎ、しいたけはうす切り、にんじんは千切りにする。万能ネギは3〜4cm長さに切る。
?フライパンにゴマ油を温め、?の豚肉を炒める。軽く火が通ったら、?の玉ねぎ、しいたけ、にんじん、はるさめを炒める。
?あらかじめ混ぜ合わせておいた、酢、酒、しょうゆ、砂糖、鶏がらスープ顆粒を加え、水分がなくなってつやが出るまで煮る。仕上げに?の万能ネギを入れて火を止めて出来上がり。
ポイント…しっかり水分を飛ばして仕上げる。
ピクルス
?小鍋に酢、水、塩、砂糖、ピクリングスパイスを入れて沸騰させ、冷ましておく。
?野菜を一口大に切り、ガラス容器などに入れる。
??の冷めたピクルス液を注ぎ、1晩置いて出来上がり。
ポイント…冷蔵庫で保存する。
原産地は南ヨーロッパからウクライナといわれ、今から2000年前の古代ギリシャ時代から栽培されていたようです。日本へは江戸時代に伝えられましたが、最初は観賞用だったそうです。
〜アスパラガスの栄養素〜
アスパラガスには免疫力を高めるカロテンや疲労回復のビタミンB群、美肌に作用するビタミンEなど、さまざまなビタミンが含まれています。また、アスパラの穂先の部分にはルチンという成分が含まれており、高血圧や動脈硬化の予防に働きます。注目の成分はアスパラギン。
〜アスパラギンとは…〜
アスパラギンはアスパラガスから発見された成分で、体内に入るとアスパラギン酸というアミノ酸に変化します。
変化したアスパラギン酸はエネルギー代謝を活発にする働きと、タンパク質の合成を助ける働きがあり、この2つの働きによって疲労回復や滋養強壮、美肌などが期待できます。
●今日の料理
アスパラ焼きそば
?アスパラは下の硬い部分を取り、斜めに薄く切る。
?エビは殻と背わたを取り、酒、塩、こしょう、片栗粉をもみこんでおく。
?フライパンにごま油を温め、?のエビを炒める。色が変わったら?のアスパラを入れて、軽く炒め蒸し麺を入れる。全体に火が通ったら塩、こしょうで味付けして出来上がり。
ポイント…アスパラの食感を活かすため短時間で手早く仕上げる。
アスパラのとろみ煮
?アスパラは下の硬い部分を取り、乱切りにする。長いもは皮をむいてすりおろす。
?鍋に水2カップと固形ブイヨンを入れ火にかける。沸騰したら?のアスパラを入れ、塩こしょうで味を調える。すりおろした?の長いもを加えてすぐにかき混ぜてとろみがつくまで煮る。(1〜2分)
?器に盛り付け、粉チーズを振って出来上がり。
ポイント…色があせるので加熱しすぎないこと。
しいたけは日本で最も生産量の多いキノコで、大分や群馬、岩手などが生産地として有名です。うまみ成分のグアニル酸を含む代表的な食材がしいたけで、カツオ節に含まれるイノシン酸、こんぶのグルタミン酸と合わせて3大うまみ成分といわれています。
〜しいたけの栄養〜
しいたけは炭水化物や脂質が少ないうえに食物繊維が多いので、女性にはうれしい食材。注目はビタミンD。
〜ビタミンDの働き〜
ビタミンDは骨を壊す破骨細胞と骨の形成を行う骨芽細胞を活性化させる働きがあります。
丈夫な骨を作るためには骨の材料となるカルシウムはもちろん必要ですが、古い骨を壊し新しい骨を作る“骨の代謝”を活性化させるビタミンDも大切です。
●今日の料理
しいたけの肉詰め焼き
?しいたけは石づきを取り、汚れを拭く。茎の部分は刻んでおく。万能ネギは小口切り、しょうがはすりおろす。
?鶏ひき肉に?のしいたけの茎、万能ネギ、しょうが、片栗粉、塩を混ぜる。
?しいたけのかさの部分に?のひき肉を詰める。
?フライパンに油を温め、肉の方から焼いていく。ふたをして中火で3分程度焼き、焼き色がついたら裏返して更に3分ほど焼く。
?みりんとしょうゆを混ぜてまわしかけ、返しながら水分を飛ばし、照りをつけて出来上がり。
ポイント…しいたけにしっかり押しつけて肉を詰める。
しいたけの焼き浸し
?しいたけは石づきを取り、汚れをふき取り、グリルで焼く。(片面2〜3分ずつ)粗熱をとって一口大に切る。
?セロリ、パプリカはうす切りにする。
?しょうゆ、酒、酢を小鍋に入れて火にかけ、沸騰させて火を止める。砂糖と一味唐辛子、ごま油を混ぜる。
??のしいたけ、?のセロリ、パプリカに?の調味液を混ぜて、20〜30分浸しておく。
?器に盛り、白ごまを散らして出来上がり。
ポイント…しいたけを焼き過ぎないように。
全国各地の砂浜に広く生息しており、3月から4月に採れますが、青森では少し遅く4月下旬から5月に潮干狩りのシーズンを迎えます。
〜あさりの栄養素〜
アサリは炭水化物や脂質といったエネルギー源をあまり含まないのでダイエットにおすすめの食材です。そして、血液に作用する鉄、ビタミンB12、タウリンという3つの成分を含みます。
〜血液に作用するアサリの成分〜
鉄は血液の素になる成分で、酸素を運ぶ役割をするヘモグロビンの材料です。不足すると、息切れやめまいといった貧血症状になります。
ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球を作り出す働きがあり、不足すると悪性貧血のおそれがあります。
タウリンはアミノ酸の一種で、血液中の余分なコレステロールを排出し、どろどろ血液や動脈硬化を予防する働きがあります。
アサリには血液を作る働きときれいにする働きがあります。
●今日の料理
アサリと野菜の白ワイン煮
?アサリは殻同士をこすり合わせるようにして洗っておく。キャベツは一口大に、アスパラは斜めに切る。エリンギとにんにくはうす切りにする。
?ふたの出来るフライパンにオリーブオイルと?のにんにくを入れて温め香りがで出たら、?のアサリとキャベツ、アスパラ、エリンギを順に重ね白ワインを注ぐ。ふたをしてキャベツがしんなりするまで加熱する。(中弱火で3分ほど)
?ふたを取り、塩こしょうで味を整えて出来上がり。
ポイント…野菜の食感を生かすため、加熱しすぎないように。
アサリバターうどん
?アサリは殻同士をこすり合わせるようにして洗っておく。万能ネギは小口切りにする。
?フライパンに?のアサリを入れ、酒を振りかけてふたをする。強火で酒蒸しにし、アサリの口が開いたら湯通ししたうどんを入れる。
?アサリのだしをうどんに吸わせ、仕上げにバターとしょうゆを混ぜる。
?器に?のうどんを盛り、?の万能ネギを散らして出来上がり。
ポイント…加熱しすぎないように手早く仕上げる。
豚肉は日本人が一番よく食べている肉類で、その消費量は牛肉のおよそ3倍といわれています。しかし、豚肉が一般に広まった時期は牛肉よりも遅く、明治維新以降です。
〜豚肉の栄養素〜
豚肉の大きな特徴はビタミンB1で疲労回復に働きます。また、身体各部の強化や美肌に働く良質のタンパク質を多く含み、成長促進のビタミンB2、貧血予防の鉄分なども含まれています。
〜ビタミンB1とは…〜
ビタミンB1とは日本人の農芸化学者、鈴木梅太郎博士によって発見された水溶性のビタミンです。鈴木博士は、昔から日本やアジアに多く見られた脚気の原因究明に取り組み、明治10年に米ぬかからビタミンB1の抽出に成功しました。
ビタミンB1には糖質を分解する酵素の活動を助ける働きがあります。糖質はエネルギー源なので、うまく分解されないと疲れがなかなかとれなくなってしまいます。
また、脳の中枢神経や手足の末梢神経の調整も行うので、不足するとイライラや手足のしびれ、深刻な場合は脚気のおそれもでます。
●今日の料理
豚しゃぶサラダ&スープ
?レタスは1cm幅に切る。玉ねぎは薄切りにして水にさらし、水切りする。わかめは水で戻して一口大に切る。トマトはくし切りにする。万能ネギは小口切りにする。
?酢、しょうゆ、砂糖、ごま油、ラー油を混ぜてドレッシングを作る。
?鍋に水4カップを入れて沸騰させ、塩2つまみを入れて豚肉を少しずつ入れる。火が通ったら取り出し、?のドレッシング大さじ1をからめておく。
??の豚肉のゆで汁にしょうゆ、酒、ブラックペッパー、ごま油と?のわかめの半量を入れ、仕上げに万能ネギを散らす。
?器に?のレタス、玉ねぎ、わかめを盛り付け?の豚肉をのせ、?のトマトを飾って出来上がり。
ポイント…豚肉は完全に火を通す。
豚肉のバジル風味焼き
?豚肉の筋を切り、塩とブラックペッパーを振って10分おく。
?フライパンに油を熱し、肉を入れて両面にしっかり焼き色をつける。火を弱めふたをして中まで火を通す。(2〜3分)バターを入れて肉汁をかけながら水分を飛ばす。バジルペーストを入れて全体にからめる。
?付け合せ野菜とともに盛り付けて出来上がり。
ポイント…水分をしっかり飛ばしてからバジルペーストを入れる。