カスベはエイの地方名で、北海道や下北、他の東北地方ではカスベ、青森近辺ではカスペとも呼ばれています。エイを食用としているのは、東北、北海道が中心ですが、世界的には意外に食べる地域が多く、フランス料理の食材としても使われています。新鮮なカスベは、淡白な白身で、上品な味わいです。
〜カスベの栄養成分〜
カスベには良質なタンパク質が豊富に含まれているうえ、低エネルギーなので、非常にヘルシーな食材です。注目はコラーゲン
〜コラーゲンの働き〜
コラーゲンはタンパク質の一種で、体内のタンパク質の約30%を占める重要な成分です。特に、皮膚と関節に多く存在しているので、皮膚や髪を健康に保つ、関節や血管の強化などの老化防止への働きはもちろん、他にも怪我の回復や免疫力アップという働きもある。
★今日の料理★
●カスベの辛み煮
?カスベは好みの大きさに切る。万能ねぎは斜め薄切りにして水洗いし、水切りしておく。
?鍋に、水、酢、醤油、豆板醤を入れ火にかけ、沸騰したらカスベを入れる。
?再沸騰したら、落し蓋をし、弱火〜中火で10〜15分程煮る。
?カスベ全体にしょうゆの色が染みていたら、ごま油を回しかけ2〜3分煮詰める。
?器に盛り、万能ねぎをのせる。
ポイント…焦げつかないように火力を調節する
●カスベのサクサク揚げ
?カスベは軟骨にそって細長く切る。塩とこしょうで下味をつける。
?アボカドは種と皮をとり、つぶしてなめらかにする。
玉ねぎはすりおろしてアボカドに混ぜ、塩、こしょう、レモン汁を混ぜる。
?薄力粉と上新粉を合わせ、カスベにまんべんなくつける。
?揚げ油を中温にし、3〜4分カスベをあげる。きつね色に揚がったら油を切っておく。
?器に盛り付けて、アボカドディップを添える。
ポイント…揚げる温度が低いと食感が良くならないので注意
鶏卵は、日本では江戸時代には食べられていましたが、当時はまだまだ高価なものでした。現在のように手軽に食べられるようになったのは、昭和30年代に入ってから。今では、世界第二位のタマゴ消費国になっています。(一位はイスラエル)
〜卵の栄養成分〜
鶏卵は、8種類の必須アミノ酸を含むたんぱく質食品として、理想的な栄養バランス。注目の栄養素はリゾチームとシアル酸。
〜リゾチームとシアル酸の働き〜
リゾチームは卵白に含まれる酵素の一種で、風邪などの細菌の表面にある細胞壁を溶かしてその効力を奪う働きがある。シアル酸は糖質の一種で、ウィルスの侵入を防ぐ働きがある。
★今日の料理★
●卵衣の野菜ソテー●
?なすは1cm厚さに切り、水につけアク抜き後、水気をふき取る。エリンギは薄切り、焼き豆腐は1cm厚さに切る。
?卵はよくといておく。
?スイートチリソースとナンプラーを混ぜ、ソースを作る。
?フライパンに油を温め、?の卵液に?をくぐらせて、焼く。
両面の卵がきつね色になるまで焼いて取り出す。
??を器に盛り付け、?のソースを添えて出来上がり。
ポイント…卵の衣がしっかり焼けるまで加熱する
●カスタードプリン●
?プリン型にバターを薄く塗っておく。
?カラメルソースを作る。グラニュー糖に水を混ぜ中火〜弱火にかけ加熱。煙が出てきたら、鍋をゆっくり回しながら茶色になるまで加熱する。あめ色になったら、火を止め、熱湯を混ぜるとカラメルソースの完成。熱いうちにプリン型に注ぎ、冷ます。
?牛乳にバニラを混ぜ火にかけ、沸騰直前に止める。そのまま置き、粗熱をとる。
?卵と卵黄を良く溶いてグラニュー糖を混ぜ、?も混ぜる。
目の細かいザルで1度漉す。
?カラメルソースが入った型に?を注ぎ、150〜160度のオーブンで25〜30分焼く。
ポイント…プリンを焼く時間は、温度と時間に注意
タラの芽は、日本原産のウコギ科のタラという木の若芽です。日本全国の山地に自生していますが、最近市場に出回っているタラの芽のほとんどは栽培ものが多いようです。
〜タラの芽の栄養成分〜
高血圧予防のカリウムや免疫力アップのカロテン、疲労回復に働くビタミンB1など様々な栄養成分が含まれており、栄養価の高い野菜です。なかでも、注目の成分はエラトサイドです。
〜エラトサイドの働き〜
エラトサイドとは、タラの芽の苦味成分であるサポニンから発見された成分で、糖類の吸収を抑える働きが確認されました。胃から腸への糖類の移動を遅らせる働きもあるので、急激な血糖値の上昇を抑え、糖尿病や肥満予防などが期待できます。
★今日の料理★
●タラの芽のチヂミ
?タラの芽は洗ってハカマ部分を削り取り、3〜4cmに切る。にんじんは千切り、イカは細切り。タレ用のねぎはみじん切りにする。
?卵をといて水を混ぜ、薄力粉、削り節を混ぜ、?も混ぜあわせる。
?コチュジャン、酢、しょうゆ、砂糖、ねぎを混ぜ、タレを作る。
?フライパンにごま油を多めに入れて温める。生地を流し、きつね色になるまで焼く。裏返して押し付けるようにし、周囲がかりっとするまで焼く。
?器に盛り付けタレを添えて出来上がり。タレにつけてお召し上がりください。
ポイント…ごま油は多めに使う
★タラの芽のマリネサラダ
?タラの芽は洗ってハカマ部分を削り取る。にんにくは薄切りに、パセリはみじん切りにし、キッチンペーパーに包んで水洗いし絞る。
?玉ねぎはみじん切り、トマトは1cm角に刻む。
??をボールにいれ、塩、こしょう、砂糖、ワインビネガー、オリーブオイルを入れ、よく混ぜる。
?フライパンにオリーブオイルとにんにくを温め、香りが出たらタラの芽を入れ、塩、こしょうし、蓋をして蒸し焼きにする。
?器に?を並べ、?をかけ、パセリを散らしてできあがり。
ポイント…タラの芽は加熱しすぎない
最初に牛乳を飲んだのは紀元前7000年ごろのトルコ周辺といわれており、日本でも飛鳥時代に飲んでいた記述があります。ただ、その頃は主に上流階級だけで一般大衆に広まったのは1000年以上もたった明治に入ってからです。
〜牛乳の栄養素〜
牛乳は栄養的にきわめて優れた食品で、良質なタンパク質、免疫力アップのレチノール、カルシウム、ビタミンB群などが豊富に含まれています。注目はカルシウム。
〜カルシウムの働き〜
カルシウムは骨や歯の材料となる成分ですが、私たちの体内では骨や歯のほかに血液や筋肉、脳に1%ほどカルシウムが存在しています。そこでは、神経や筋肉の興奮をコントロールしたり、ホルモンの分泌の調整などにも関わっています。ですからカルシウム不足が続くと骨が弱くなるだけでなく、イライラしたり、血行悪化による肩こりなどが可能性がでてきます。
●今日の料理●
★ミルクピラフ★
?きのこは全て2cm角程度に切る。ベーコンは角切りに、玉ねぎ、にんじんはみじん切りにする。パセリはみじん切りにし、水洗いしてキッチンペーパーで水気を絞る。
?鍋にお湯を入れ、固形ブイヨンを溶かして牛乳を混ぜ、沸騰しない程度に保温しておく。
?厚手の鍋にバターを溶かし、?のベーコン、玉ねぎ、きのこ、にんじんを順番に炒め、塩、こしょうする。
米を加え、米粒が熱くなったら?のスープを入れる。最初は強火で3〜4分、水分が少なくなったらフタを少し開けて火を弱めながら10分ほど煮る。フタを完全に閉めてトロ火で15〜20分炊く。かき混ぜてフタをして5分蒸らす。
?器に盛り、パセリを散らしてできあがり。
★ほうじ茶ミルクゼリー★
?ゼラチンを、大さじ4の水に振りいれ、ふやかす。
?小鍋にほうじ茶と水を入れ、沸騰させて火を止める。お茶が濃く出たら濾し、熱いうちにゼラチンを入れ良く溶かし、砂糖を加え、牛乳を少しずつ混ぜる。器に流し、冷蔵庫で冷やし固めてできあがり。
キャベツの原産地は、地中海沿岸といわれ、現在のような食用のキャベツが日本に渡ったのは明治に入ってからのようです。春キャベツは、秋に種を蒔いたもので、丸く小さめで葉が柔らかいのが特徴です。
〜キャベツの栄養〜
キャベツは非常に多くのビタミン ミネラルが含まれています。特に、風邪予防や美肌に働くビタミンCは、淡色野菜の中でトップクラスの含有量を誇ります。芯に近い方が多いので残さず使うようにしましょう。注目の成分はビタミンUとビタミンK。
〜ビタミンU・ビタミンKの働き〜
ビタミンUはキャベツから発見されたビタミン様成分で胃薬の名前にもなっているキャベジンという別名があります。胃腸の粘膜組織を作り、壊れた組織を修復する働きがあります。
また、ビタミンKには血液を凝固させる働きがあり、傷ついた胃や十二指腸の出血を止めてくれます。
●今日の料理●
★キャベツロール★
?キャベツ、にんじん、ピーマンは千切りにする。チーズは20gずつにスライスし、更に縦半分に切る。
?豚肉を広げ、塩・こしょうし、青しそ、キャベツ、チーズを順にのせて巻く。
?フライパンに油を温め、?の豚肉の巻き終わりを下にして焼く。全体に焼き色が付いたら、残ったキャベツ、にんじん、ピーマンを肉の周りに入れて塩・こしょうし、ふたをして2〜3分蒸し焼きにする。
?器にキャベツロールを盛り付け、野菜を添えて出来上がり。
ポイント…キャベツのかさを減らすように押し付けながら巻く。
★キャベツのポタージュ★
?キャベツは繊維を切るように細切りし、玉ねぎは粗みじんに切る。パセリはみじん切りにして、水洗いする。
?鍋にバターを溶かし、?の玉ねぎをしっかり炒める。そこへ?のキャベツを入れて透明感が出るまで炒める。(3分ほど) 白ワインを入れて水分を飛ばす。水と固形ブイヨンを入れて軟らかくなるまで煮て粗熱をとる。
?ミキサーかフードプロセッサーで?を滑らかにし、鍋にあけて牛乳を入れ、塩・こしょうで味を調える。(とろみが強いようなら水を加えて調整)
?牛乳50mlを約60度に温めて泡立てる。器に?のスープを入れて泡立てた牛乳をのせ、パセリを飾って出来上がり。
ポイント…キャベツが充分柔らかくなるまで煮込む。