大根の原産地には諸説ありますが、地中海沿岸から中央アジアが有力です。日本へは稲作文化とともに中国から渡り、古くから栽培されているなじみ深い野菜です。現在でも作付面積、生産量ともトップの野菜です。
〜大根の栄養素〜
大根には美肌や風邪予防におすすめのビタミンCや消化を促進させるアミラーゼが含まれています。また、辛味成分のイソチオシアネートは免疫力を高めたり、殺菌作用があります。
〜大根の使い分け〜
大根は葉の部分から先端にいくほど辛みが増していきます。生でサラダや辛みの少ない大根おろしを使いたいときは葉に近い部分を。中ほどは煮物。逆にピリッと辛い大根おろしが必要なときは先端部分がおすすめです。
●今日の料理
★大根ステーキ★
?大根は2cm厚さに切り、十文字に切れ目を入れておく。トッピング用の大根はごく細く切り、万能ネギの斜め薄切りと混ぜて水にさらし、ザルにあげて水切りしておく。
?鍋にオリーブオイルとバターを温め、?の大根を焼く。(中弱火で片面3分ずつ)両面に焼き色がついたら水、固形ブイヨン、赤ワイン、しょうゆを入れて15〜20分煮込む。大根が柔らかくなったら煮汁に入れたまま冷ます。
?鶏レバーは2枚に開いて掃除し、熱湯に分量外の酒大さじ1と塩ひとつまみを入れてゆでる。(1〜2分)ゆでた鶏レバーの水気を拭いて塩、こしょうで下味をつけ、薄力粉をしっかりつけてオリーブオイルで表面がカリッとするように焼く。(弱火で2〜3分)
?小鍋でバルサミコ酢、しょうゆ、砂糖、バターを沸騰させ、とろみをつけてソースを作る。
?器に温めなおした?の大根、?の鶏レバー、?のトッピング野菜を重ね、?のバルサミコのソースを添えて出来上がり。
ポイント…大根はじっくり焼き、焼き色を付ける。
★大根の松前風★
?大根は皮をむいて縦に1cm幅に切り、繊維に沿って7〜8mm厚さに切る。するめは3cm長さに、にんじんは細いせん切り、にんにくは2〜3枚に切る。
?厚手のポリ袋に?の材料を入れ、しょうゆ、みりん、好みで一味唐辛子を入れてよく混ぜる。空気を抜いて口を閉じ1時間程度置く。
ポイント…大根はあまり薄くしない。
牛は縄文から弥生時代にかけて稲作とともに日本に持ち込まれたようです。その頃は、食用にもされていたようですが、飛鳥時代に肉食禁止令が発令されたあとは、農耕や運搬が主な役割となりました。その後、文明開化の明治時代に牛鍋が登場し、大正時代には一般的に食べられるようになりました。
〜牛肉の栄養素〜
牛肉には良質なタンパク質が豊富に含まれており、滋養強壮におすすめです。また、鉄やビタミンB群などのビタミンミネラルも多く含まれています。ただ、脂質が多いので食べすぎには注意が必要。注目の成分はアラキドン酸。
〜アラキドン酸とは…〜
アラキドン酸とは不飽和脂肪酸の一種で、私たちの体内では充分に作られない必須脂肪酸に数えられています。アラキドン酸は細胞膜を構成する重要な成分の一つで、特に脳に多く存在しています。その働きは細胞膜をしなやかに保ち、記憶力や学習能力をアップさせるといわれています。
●今日の料理
★牛肉のまいたけロール★
?まいたけは手で裂いて小分けにする。牛肉は広げて塩とブラックペッパーを振り、まいたけを芯にして巻く。
?フライパンに油を温め?の牛肉を焼く。転がしながら全体にまんべんなく焼き色をつけ、赤ワインを振りかけてふたをする。1〜2分して、まいたけに火が通ったら水分を飛ばす。
?焼いた赤パプリカ、パセリなどと彩りよく盛り付けて出来上がり。
★牛肉のトマトクリーム煮★
?牛肉は軽く塩こしょうをし、薄力粉をまぶす。にんにく、玉ねぎはうす切りにする。にんじんはせん切り、しめじは石づきを取り手で分ける。パセリはみじん切りにし水洗いする。
?鍋にオリーブオイルを入れ、?のにんにくを炒める。香りが出たら?の牛肉を入れて焦げ目をつける。さらに?の野菜類を入れて炒める。赤ワイン、トマト水煮缶、水3カップ、固形ブイヨン、ローリエを入れて煮込む。(弱火で20分ほど)
??の材料が軟らかくなったら、生クリームを入れてソースにとろみがつくまで煮詰める。(中弱火で10分ほど)塩とこしょうで味を調える。
?たっぷりの熱湯に塩を加えてパスタをゆで、器に盛って?をかける。パセリを散らして出来上がり。
最近スーパーなどで見かけるようになったトラウトサーモンとは、海で養殖されたニジマスの一種です。主にチリやノルウェーから輸入されており近年増加の傾向にあります。ニジマスといっても海で養殖されているので、大きさや味はサケとほとんど変わらないようです。
〜トラウトサーモンの栄養素〜
良質なタンパク質を豊富に含み、カルシウムの吸収を高めるビタミンDや貧血予防に働くビタミンB12なども含まれます。注目の成分はアスタキサンチン。
〜アスタキサンチンとは〜
トラウトサーモンを含めサケの身は赤身がかったピンク色をしていますが、実は白身魚に分類されます。トラウトサーモンの赤い身はアスタキサンチンという色素成分で、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。(生活習慣病予防や疲れ目など)
しかも、その抗酸化力は非常に強力で、自然界最強の抗酸化作用を持つ成分といわれています。
●今日の料理
★トラウトサーモンの海苔焼き★
?トラウトサーモンの切り身は小骨を取り、一切れを3つに切り、こしょうを振っておく。焼き海苔は粗くちぎる。
?薄力粉と水を練り合わせ、?のトラウトサーモンの水気を拭いて付け、海苔を全面につける。
?フライパンに油を温め、?のトラウトサーモンがカリッとするまで焼く。(中火で片面3分ぐらい/側面も焼き付ける)器に盛り付け、野菜を添えて出来上がり。
ポイント…海苔をつけたら時間を置かずに焼く。
★トラウトサーモンのカルパッチョ★
?トラウトサーモンの刺身は出来るだけ薄く切る。玉ねぎとセロリは薄切りにして塩もみしておく。パセリは少量をみじん切りにする。
?レモン汁、塩、砂糖、しょうゆ、油を混ぜ合わせカルパッチョソースを作っておく。
??の玉ねぎとセロリがしんなりしたら水洗いしてよくしぼる。
??のサーモンを3枚ずつ少しずらして並べ、?の玉ねぎとセロリを少量上にのせ、端から巻いていく。
?器に、残った?の玉ねぎとセロリを敷き、?のトラウトサーモンを形よく盛り付ける。?のカルパッチョソースをかけ、みじん切りにした?のパセリを散らして出来上がり。
ポイント…トラウトサーモンは花びら型になるように巻く。
春菊の原産地は地中海沿岸で、日本へは1500年ごろに伝わったようです。ただ、野菜として食べられているのは日本や中国などの東アジアだけで、ヨーロッパでは観葉植物として栽培されています。ちなみに春菊の名前は、菊に似た黄色い花を咲かせるのでつけられたようです。
〜春菊の栄養素〜
春菊には風邪予防に欠かせないカロテンやビタミンCが含まれており、特にカロテンは野菜の中でもトップクラスの含有量を誇ります。また、カリウムや鉄といったミネラルも豊富に含まれています。注目の成分はαーピネンとベンズアルデヒド。
〜咳の緩和に春菊〜
αーピネンとベンズアルデヒドは春菊の香りを構成している成分で、森の香りに近い成分です。この香りは自律神経に作用し、咳を鎮め痰を切る働きがあります。また、胃腸の調子を整え消化を助ける働きもあるので、風邪で胃腸が弱っているときにもおすすめです。
●今日の料理
★春菊まん★
?春菊はよく洗って水切りし小口切りにする。ザーサイ漬けはざく切りにする。
?ボールに豚挽き肉、?の春菊、?のザーサイ、ごま油、塩、こしょうを入れてまとまる程度にこねる。
?中華まんの皮は、薄力粉、強力粉、砂糖、塩、ドライイースト、ベーキングパウダーをボールに入れてぬるま湯を混ぜ、こねてまとまったらバターを混ぜる。5分ほどよくこねて乾燥しないようにラップをかけて2倍程度に膨らむまで発酵させる。(40〜50分)
?ガス抜きして8等分し、軽く丸めて休ませる。(10分)
?春菊入りの?の具を8等分し?の皮で包む。クッキングペーパーを10cm角に切り、春菊まんをのせてラップをかけて2次発酵させる。(20分ほど)
?蒸気の上がった蒸し器で蒸して出来上がり。(10〜12分)
ポイント…皮は途中で乾燥させないようにする。
★春菊サラダ、みかんドレッシング★
?春菊はよく洗って3cm長さに切り、冷水につけてパリッとさせる。生ハムは2cm幅に切る。
?みかん1個は果肉を取り出し、1個は果汁を絞る。ボールにみかん果汁、砂糖、塩、酢、オリーブオイルを合わせ、みかんの果肉を加えて混ぜる。
??の春菊の水気をきって器に盛り付け、?の生ハムをのせる。?のみかんドレッシングを添えて出来上がり。
ポイント…春菊はアク抜きも兼ねて、切ってから冷水につける。
高野豆腐の正式名称は凍り豆腐といいますが、江戸時代に高野山で作られていたものが全国に広まったために高野豆腐と呼ばれるようになったそうです。ただ、東北や北海道、甲信越でも古くから作られており、青森では凍み(しみ)豆腐と呼ばれています。
〜高野豆腐の栄養素〜
高野豆腐は豆腐を凍らせてから水分を取り除き、乾燥させているので、お豆腐の栄養素が凝縮された食材。ですから、タンパク質が多く、カルシウムや鉄といったミネラルも豊富に含まれています。
〜高野豆腐で骨の強化〜
高野豆腐に多く含まれているカルシウムは骨の主成分。他に、豆腐の原料である大豆の胚芽に多く含まれているイソフラボンはポリフェノールの一種で、エストロゲンという女性ホルモンと同様の働きがあります。体内で女性ホルモンが不足すると、骨を壊す細胞が異常に働いて、骨が弱くなったり骨粗しょう症のおそれも出てきます。骨の原材料のカルシウムと骨を守るイソフラボンの働きで、高野豆腐は骨によい食材といえます。
●今日の料理
★高野豆腐のピカタ★
?高野豆腐は50℃程度のお湯で戻す。(5分ほど)
?水に固形ブイヨン、酒、塩で味付けして沸騰させ、良く絞った高野豆腐を静かに入れて5分程度煮る。煮汁につけたまま冷ます。
??の高野豆腐を絞り、厚みを2等分してこしょうを振り、薄力粉を薄くつける。
?卵に粉チーズを混ぜて?の高野豆腐につけ、両面を油で焼く。(中火で片面2分ずつ)
?たっぷりの野菜を添えて盛り付けて出来上がり。
ポイント…形を崩さないように煮汁をきちんと絞る。
★高野豆腐入り蓮根まんじゅう★
?高野豆腐はすりおろす。エビは下処理をしてぶつ切りにする。きくらげは水で戻し、1cm書く程度に切る。蓮根は皮をむき、すりおろす。
??の材料をボールに入れ、よく溶いた卵白、片栗粉、塩、出し汁を加えてよく混ぜる。4等分してラップで包み、上部をねじって輪ゴムで止める。
?鍋にたっぷりの湯を沸騰させて?のまんじゅうを入れる。弱火で15分加熱する。
?小鍋にとろみあんの材料を入れ、火のかけて沸騰させる。
?加熱した?のラップを切って器に盛り、?のとろみあんをかける。斜めうす切りの万能ネギをのせ、好みでわさびを添えて出来上がり。
ポイント…まんじゅうは鍋肌につかないようにして加熱する。