なすの原産地はインドといわれ、日本へは奈良時代に伝わったようです。その頃からすでに栽培が行われるようになり、全国各地で長いものや丸いもの、小さいものなど様々な品種のなすが作られるようになっていきました。
〜なすの栄養素〜
なすは90%以上が水分で、非常に低エネルギーですが、わずかにビタミンやミネラルを含む程度で、栄養的にはあまり期待できる野菜とはいえません。しかし、2つのポリフェノールを含みます。
〜なすのポリフェノール〜
ナスニンーなすの皮にある紫色の色素で、なす特有のポリフェノールです。その働きは、コレステロール値を下げて動脈硬化予防。活性酸素を抑える抗酸化作用で、老化やガン予防。目の網膜にあるロドプシンの再合成に働きかけ、眼精疲労予防。
クロロゲン酸ー苦味や香りを出す成分で、タンニンの一種。その働きは抗酸化作用により、老化やガン予防。日焼けによるメラニンを抑制し、シミ・ソバカス予防。
*ナスニン、クロロゲン酸とも水に溶けやすい性質なので、切ったなすを長時間水にさらさないことがポイントです。
●今日の料理
★蒸しなすのつけ麺風★
?なすは麺をイメージして1cm厚さで細長く切り、さっと水につけて水切りする。長ねぎは小口切りにする。
?フライパンに?のなすを並べ、酒とごま油を振ってフタをし、弱火で3〜5分蒸し焼きにする。
?のりダレは酢、しょうゆ、韓国のりをかき混ぜる。ごまダレは練りごま、酢、しょうゆ、豆板醤、おろしにんにく、なすの蒸し汁を混ぜる。
?器に?のなすを並べ、?の長ねぎを散らし、?のタレを添えて出来上がり。
ポイント…なすは蒸し過ぎないように。
★なすの昆布和え★
なす5mm角に切り、さっと水につけて水切りする。きゅうりも5mm角に、しょうが、青しそはみじん切にする。
?ボールに?の野菜を入れ、刻み昆布、みりん、しょうゆ、一味唐辛子を入れてよくかき混ぜ味をなじませる。
ポイント…野菜を細かく切りそろえる。
メロンの原産地はアフリカ大陸といわれ、古代エジプトでは、すでに栽培が行われていたようです。日本へは中国大陸から弥生時代に渡ってきましたが、現在のようなメロンが栽培されるようになったのは明治時代に入ってからのようです。
〜メロンの栄養素〜
メロンには吸収されやすい糖質が多く、食物繊維が少ないので消化に負担が少なく、消化能力が弱っている病後などにおすすめ。また、夕張メロンのような赤い果肉のメロンには免疫力向上のカロテンが多く含まれています。注目の成分はカリウムとギャバ。
〜高血圧予防にメロン〜
カリウムー必須ミネラルの一つでナトリウム(塩分)とバランスをとりながら、細胞内外の浸透圧を一定に保つ働きがあり、体内に増えたナトリウムの排泄を促す。
ギャバーγーアミノ酪酸というアミノ酸の一種で、血液中の塩分をろ過する腎臓の働きを活発にし利尿作用を促す。
●今日の料理
★みぞれメロン★
?メロンは2cm角に切り、冷凍庫で半冷凍にする。(1〜2時間)牛乳はカキ氷器の型に入れ冷凍する。
?器に?のメロンを入れ、?の固めた牛乳をカキ氷器で削ってかけ、コンデンスミルクをかけて出来上がり。
ポイント…メロンは半冷凍で。
★メロンの生クリームサンド★
?メロンは1cmほどの薄切りにし、ホワイトキュラソーを振りかけておく。
?生クリームに砂糖を混ぜ、氷水で冷やしながら泡立てる。
?パンに?の生クリームを塗り、水気を拭いた?のメロンを挟んでラップで包む。冷蔵庫で冷やし、食べる直前に切り分ける。
ポイント…メロンの水気をとって作る。
さやいんげんの原産地は中南米といわれ、日本へは江戸時代に伝えられました。最初はさやの中の豆だけを食べていたようですが、幕末ごろからさやごと食べるようになりました。ちなみにさやいんげんの名前は、隠元禅師という僧が日本に伝えたからといわれています。
〜さやいんげんの栄養素〜
さやいんげんはさやと豆をまるごと食べる緑黄色野菜なので、カロテンやビタミンB群が多いうえに、タンパク質も含み栄養のバランスに優れた食材です。注目の成分はビタミンB群とアスパラギン酸。
〜ビタミンB群の働き〜
ビタミンB1−糖質を分解する酵素の活動を助け、エネルギーに変える。
ビタミンB2−脂質や糖質の代謝を促し、エネルギーに変える。
ビタミンB6−タンパク質の代謝を促し、健康な体やエネルギーを作り出す。
(エネルギーを作る働きで疲労回復に作用)
〜アスパラギン酸の働き〜
アスパラギン酸はアミノ酸の一種。
エネルギーの代謝を高め疲労回復を早める作用。ほかに肝機能の促進や体内の老廃物排出などの働きもあり、総合的に疲労回復に作用する成分。
●今日の料理
★さやいんげんの中華炒め★
?さやいんげんは筋を取って3〜4cm長さに切る。なすはさやいんげんより大きめに切り、豚肉は1cm幅に切る。しょうが、にんにく、長ネギはみじん切りにする。合わせ調味料はあらかじめ混ぜておく。
?フライパンにごま油を温め、みじん切りにした?のしょうが、にんにく、長ネギを炒める。豚肉、いんげん、なすの順に入れて炒め、酒を振ってふたをし火を通す。(2〜3分)
?混ぜておいた?の合わせ調味料をかき混ぜながら入れ、とろみがついたら出来上がり。
ポイント…さやいんげんに火が通ってから調味料を入れる。
★さやいんげんの冷たいスープ★
?さやいんげんは筋を取って熱湯でゆでる。(3〜4分)冷水で冷まして2cm長さに切る。玉ねぎは繊維を切るようにうす切り、じゃがいもは5mm厚さに切る。
?オリーブオイルで玉ねぎを炒め、しんなりしたらじゃがいもを入れて炒める。そこへ水とコンソメ顆粒を入れ弱火で煮込む。(10〜15分)常温まで冷ます。
?冷ました?をミキサーに入れ、牛乳を加えてなめらかにする。さらに?のさやいんげんを少しずつ入れてなめらかにし、塩とホワイトペッパーで味を整える。
?器に盛り付け細かく刻んだトマトをのせて出来上がり。
ポイント…さやいんげんは甘味が出るまで茹でる。
青森県では冬場に獲れるヤリイカに対し、夏場のイカはスルメイカです。日本で一番多く獲れ、その名の通り、かつてはスルメ用だったようですが、函館のイカそうめんで生食の美味しさが全国的に知られるようになりました。ちなみに青森や北海道ではスルメイカを真イカと呼びます。
〜イカの栄養素〜
イカには良質のタンパク質が多く含まれ、脂肪分が少ないので非常にヘルシーな食材です。また、味覚を正常に保つ亜鉛も含まれています。注目の成分はタウリン。
〜タウリンとは…〜
タウリンとはアミノ酸の一種で、イカのうまみ成分でもあります。私たちの体にはおよそ0.1%のタウリンが存在しているといわれ、特に肝臓や筋肉、目の網膜に高濃度にあります。タウリンは体内でも作られていますが、体が必要とする5%程度しか作られないので、食事からの定期的な補給が必要です。
〜タウリンの働き〜
体内でタウリンが多く存在する場所で活躍してくれます。肝臓では肝機能の働きを高め、疲労回復や二日酔い予防。筋肉では筋肉疲労の改善。目の網膜では眼精疲労の改善に働きます。
●今日の料理
★いかめし★
?いかは下処理をして水気を切っておく。もち米は研いで4〜5時間水につけ、水気を切っておく。圧力鍋に分量の水を入れ、昆布を浸しておく。
?下処理をした?のいかの胴に大さじ2程度のもち米を詰め楊枝で止める。?の圧力鍋に砂糖、酒、しょうゆを混ぜていかを入れる。
?鍋に火をかけ、圧力がかかってから3〜5分煮る。圧力を抜いてふたを取り、5〜6分煮詰める。粗熱を取って出来上がり。
ポイント…もち米を詰めすぎない。
★いかとキャベツの漬物★
?いかは下処理をして分量外の塩を入れた熱湯でゆでる。(2〜3分)冷水にとって冷まし、輪切りにする。キャベツは一口大に切り、にんじん、しょうがはせん切りにする。
?厚手のポリ袋に?の野菜を入れ、塩をなじませる。水気が出てきたら?のいかを入れて混ぜ、酢を加えて袋の空気を抜く。上下を返しながら3時間以上おいて出来上がり。
ポイント…塩を充分なじませてから酢を混ぜる。
主原料の大豆にこうじと塩を加え、発酵、熟成させて作られます。こうじが米こうじであれば米みそ、麦こうじなら麦みそ。大豆とこうじ菌だけで作られたものが豆みそといい、大きくこの3種類に分けられます。
〜みその栄養素〜
原料が大豆なので非常に栄養価が高く、しかも様々な菌の働きによって大豆よりも消化吸収されやすくなっています。また、大豆のときには測定されなかったビタミンB12は、菌の働きによって生み出されています。
〜夏向けのみその働き〜
夏バテ予防には良質のタンパク質が欠かせませんが、みそのタンパク質は菌の働きによって、およそ30%もアミノ酸に分解されており、非常に消化吸収に優れています。また、みその発酵を手伝う乳酸菌は腸の調子を整えるので、冷たいものを多く摂る夏場にはおすすめ。
さらに、みそに含まれる遊離リノール酸には、メラニンの合成を
抑える働きがあり、シミやソバカス予防に作用します。
●今日の料理
★冷や汁そうめん★
?アジの干物は焼いて身を取り細かくほぐす。みょうが、しょうが、青しそは粗みじん切りにする。きゅうりは薄切りにして塩もみして水洗いし、しぼっておく。
?すり鉢にみそと白ごまを入れてなめらかにすり、だし汁で溶き伸ばす。そこへ?のアジと薬味、きゅうりを混ぜ、塩で味を調え、食べる直前まで冷やしておく。
?そうめんは1cmぐらいに短く折り、規定の時間ゆでる。
?器に?のそうめんを盛り、?の冷や汁をかけて出来上がり。
ポイント…アジや薬味は細かくする。
★ホットプレートでみそ焼き飯★
?にんにくとしょうがはみじん切りにする。油でにんにく、しょうが、ひき肉を炒め、酒とみそで味付けする。
?万能ねぎは小口切り、にんじんは短いせん切りにする。みそ、砂糖、酒を合わせてみそダレを作る。
?ホットプレートをあたため、ごま油をひいてご飯を入れる。?の万能ねぎとにんじん、?の肉みそをのせて炒め、野菜がしんなりしてなじんだら、?のみそダレを加える。手早く混ぜてみその香りがしてきたら出来上がり。サンチュで包んでもおいしいですよ。
ポイント…みそダレを入れたら手早く。