かつおはフィリピン近海から黒潮にのって日本へやってきて、東北から北海道沿岸まで北上します。春ごろからこの北上するかつおを上りがつおといい、初がつおとして珍重されます。そして、秋になると南へUターンを開始し、こちらは戻りがつおと呼ばれ、脂がたっぷりのったかつおになります。
〜かつおの栄養素〜
この季節のかつおは戻りがつおより脂肪分が少なくさっぱりしていますが、その分タンパク質が多く高タンパク低エネルギーのヘルシーな食材です。また、疲労回復に働くビタミンB群が多いのも特徴です。注目の成分はビタミンB12。
〜ビタミンB12の働き〜
ビタミンB12は金属のコバルトを含む赤色を帯びた成分で、別名「赤いビタミン」とも呼ばれます。その働きは、葉酸と協力しあって赤血球を作り出します。
貧血の場合のおよそ90%は鉄欠乏性の貧血といわれていますが、鉄を摂取しても貧血が改善されない場合、ビタミンB12不足による悪性貧血のおそれもあります。
ただ、動物性食品に広く含まれる成分なので、偏食や無理なダイエットを続けない限り、不足しにくい成分です。
●今日の料理
★かつおの木の芽和え★
?かつおは2cm角程度に切る。
?すり鉢で山椒の葉をすり、つづいて松の実を入れてすりつぶし、粉チーズ、にんにくを順に入れてなめらかにする。更に、塩、こしょう、オリーブオイルを混ぜる。
??の山椒のペーストで?かつおを和え、食べる直前まで冷やしておく。クラッカーなどを添えて出来上がり。
ポイント…材料をなめらかになるまでする。
★かつおのネギ巻き★
?かつおは包丁をねかせ、うすく削ぐようにして切る。しょうゆとごま油で下味をつける。
?ネギは斜めうす切りにし、塩、ブラックペッパー、ごま油で味付けする。
??のかつおを広げ、?のネギをのせて巻き、器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…かつおは、うすく幅広くなるように切る。
ひじきはホンダワラ科の海藻で、春に岩場で成長したものを刈り取り、そのまま一度干してから真水で煮沸し、再び天日乾燥させたものが製品となったひじきです。代表的な種類としては、ひじきの葉を加工したものが芽ひじきで、茎を加工したものが長ひじきとして売られています。
〜ひじきの栄養素〜
カルシウムやマグネシウム、鉄、、亜鉛、ヨウ素といったミネラルが豊富に含まれており、エネルギー量も低いのでとてもヘルシーな食材です。また、便秘解消に働く食物繊維も多く含まれています。注目の成分は鉄。
〜鉄の働き〜
鉄は赤血球の中のヘモグロビンの材料となる成分で、全身の細胞に酸素を運ぶ役割があります。不足すると動悸や息切れ、めまいといった鉄欠乏性貧血のおそれが出てきます。
鉄は非常に吸収率の悪い成分なので、定期的な摂取が必要です。
●今日の料理
★ひじきのふりかけ★
?ひじきはたっぷりの水に浸して30分ほど戻し、水洗いしておく。
?厚手の鍋にひじき、削り節、水を入れて沸騰させる。沸騰したら弱火にして5〜6分たったら砂糖、酒、しょうゆを加え、更に弱火で5〜6分煮る。
?ふたを取って7〜8分水分を飛ばすように中弱火で加熱する。仕上げに白ごまを混ぜて出来上がり。
ポイント…弱火で時間をかけて作る。
★ひじきの豆乳ソース焼き★
?ひじきはたっぷりの水に浸して30分ほど戻し、水洗いして3〜4cmの長さに切っておく。まいたけは手で裂き、玉ねぎは薄切りにする。
?フライパンに油を温めて鶏ひき肉を炒める。火が通ったら、?のまいたけとひじきを入れて更に炒め、コンソメ顆粒、塩、こしょうで味を調える。
?豆乳ソースを作る。フライパンにバターを溶かし、?の玉ねぎを炒める。しんなりしたら、薄力粉を振り入れて2分ほど炒める。豆乳を加えてかき混ぜ、とろみがついたら塩、こしょうで味を調える。
?耐熱皿に?のひじきの具を入れて、?の豆乳ソースをかける。220℃のオーブンで10〜12分軽く焦げ目がつくまで焼いて出来上がり。
ポイント…豆乳ソースは塩味を強くしないように。
アスパラガスの原産地は南ヨーロッパからウクライナといわれ、今から2000年前の古代ギリシャ時代から栽培されていたそうです。日本へは江戸時代に伝えられましたが、最初は観賞用だったようです。
〜アスパラガスの栄養素〜
アスパラガスには免疫力を高めるカロテンや疲労回復のビタミンB群、美肌に働くビタミンEなどが豊富に含まれています。また、穂先の部分にはルチンという成分が含まれており、高血圧や動脈硬化の予防に働きます。注目の成分はアスパラギン。
〜アスパラギンの働き〜
アスパラギンとはアスパラガスから発見された成分で、体内に入るとアスパラギン酸というアミノ酸に変化します。体内で変化したアスパラギン酸には、エネルギー代謝を活発にする働きと、タンパク質の合成を助ける働きがあります。この二つの働きによって、疲労回復や滋養強壮、美肌などが期待できます。
●今日の料理
★アスパラのスクランブルエッグ★
?アスパラははかまを取って、硬い皮をむいて乱切りにする。ミニトマトは半分に切る。玉ねぎは薄切りにする。卵は軽く溶いて粉チーズを混ぜる。
?フライパンを温めて、オリーブオイルを入れ、?のアスパラと玉ねぎを炒める。さらにミニトマトを加えて塩こしょうをし、溶いた卵を入れて大きくかき混ぜて好みの焼き加減で出来上がり。
ポイント…アスパラは食感が活きるように大きめに切る。
★アスパラとタコの中華和え★
?アスパラははかまを取り、硬い皮をむいて斜め薄切りにする。沸騰した湯に塩をひとつまみ入れ、アスパラをさっと茹でてザルにあげて冷ましておく。タコは薄切りにする。
?にんにくとしょうがはみじん切りにし、酒、しょうゆ、ごま油を混ぜる。
??のアスパラとタコを?のタレで和えて出来上がり。
ポイント…アスパラは茹ですぎないように。
ホタテは縄文時代から食べられてきた食材ですが、干し貝柱が登場するのは江戸時代末期をいわれています。青森県では昭和30年代後半に画期的なホタテの養殖技術が考案され、ホタテ、干し貝柱とも日本の一大産地になりました。
〜ホタテ干し貝柱の栄養素〜
主成分はタンパク質で脂質が少なく、高タンパク低エネルギーのヘルシーな食品。また、鉄や亜鉛、ビタミンB2などのミネラルやビタミンも豊富に含まれています。そして注目の成分はタウリン。
〜タウリンの働き〜
タウリンとはアミノ酸の一種で、魚介類のうまみ成分でもあります。
主な働きとしては造血作用、コレステロールの代謝促進、心臓・肝臓機能のアップがあります。これら一連の働きによって体の各器官をパワーアップさせ、疲労回復や免疫力アップ、生活習慣病予防などが期待できます。
●今日の料理
★カリカリ貝柱のコールスロー★
?干し貝柱はバラバラにほぐし、軽く焦げ目が付くまで乾煎りして(中弱火で2〜3分)冷ましておく。マヨネーズ、練乳、酢、レモン汁、塩、こしょうを混ぜておく。
?キャベツ、にんじん、玉ねぎは粗みじん切りにし分量外の塩で揉む。しんなりしたら水洗いして絞り、コーンを混ぜて調味料で味付けする。
?器に?のサラダをもりつけ、カリカリになった?の干し貝柱を散らして出来上がり。
ポイント…干し貝柱を焦がさないように。
★干し貝柱たっぷり春巻き★
?干し貝柱は水と酒に浸して、ラップで密閉して柔らかくなるまで置く。(一晩ほど)ネギはみじん切り、しょうがはすりおろしておく。
?豚ひき肉に砂糖、塩、こしょう、ごま油を入れてよく混ぜ、?のネギ、しょうが、戻した貝柱を混ぜる。
?薄力粉に小さじ2を混ぜノリを作る。春巻きの皮に?の具を薄く3cm幅程度にのばし、手前から折って端をノリで止める。
?170℃の油で、?の春巻きをカラッと揚げる。(3〜4分)
ポイント…具は薄く平らに伸ばす。
原料のカカオ豆を焙煎して砕き、その後ペースト状に煮詰めて脂肪分を取り除き、粉末にしたものがココア。原産地のメキシコでは紀元前1000年頃からすでにカカオ豆の栽培が行われており、大変価値の高い食べ物だったそうです。
〜ココアの栄養素〜
ココアは嗜好飲料の中でも非常に栄養価が高く、カルシウムや鉄、ビタミンB群を豊富に含むので疲労回復におすすめの食材です。注目の成分はカカオマスポリフェノールとテオブロミン。
〜カカオマスポリフェノール・テオブロミンの働き〜
カカオマスポリフェノールーココアの苦味に含まれる成分。抗酸化作用により、動脈硬化やガンといった生活習慣病の予防に働きます。
テオブロミンーココアの苦味と香りの成分。癒しホルモンのセロトニンを誘導し、自律神経の働きを整える。(リラックス効果)また、毛細血管を拡張させ血液の流れを良くし、冷え性やむくみの改善。さらに利尿作用、咳止め作用なども。
●今日の料理
★ココアドーナツ★
?薄力粉、強力粉、ココア、ベーキングパウダーを混ぜてふるっておく。
?ボールにバターを入れ、クリーム状にホイップする。グラニュー糖を2〜3回に分けて混ぜ、よく溶いた卵を少しずつ混ぜる。さらに牛乳も少しずつ分離しないように混ぜていく。
??のボールに?の粉類をふるいながら入れ、ゴムベラで切るように混ぜる。まとまったらラップに包んで30分〜1時間冷蔵庫で休ませる。
??の生地を1cm厚さにのばしドーナツ型で抜く。170℃程度の油で4〜5分揚げて出来上がり。
ポイント…粉類を混ぜるときは練らないように。
★ココアソース★
?厚手の鍋にココアと砂糖を入れ、よく混ぜる。水を加え火にかけ、ダマのないようによく練る。(弱火で4〜5分)
?パンやいちごにつけたり、豆腐にかけて。牛乳に溶かして飲み物にも。
ポイント…よく練ってなめらかにする。