酢に漬けた昆布を包丁で薄く削ったものがとろろ昆布。江戸時代に昆布を運ぶ間にカビが生えることがあり、それを包丁で削ったことがとろろ昆布の始まりだそうです。
〜とろろ昆布の栄養素〜
海藻類なのでエネルギー量が低く、カリウムやカルシウムといったミネラルが豊富に含まれます。また、とろろ昆布の食物繊維には胃の粘膜を保護する成分が含まれます。注目の成分はアルギン酸とラミニン。
〜高血圧予防にアルギン酸とラミニン〜
アルギン酸ー水溶性食物繊維でとろろ昆布のヌメリ成分。高血圧の原因であるナトリウムと結合して排出し血圧低下に作用。
ラミニンー主に昆布に含まれるアミノ酸。持続性はないが血圧降下作用がある。
●今日の料理
★とろろ昆布タコ焼き★
?卵をよく溶いて、すりおろした長芋としょうがを混ぜる。さらに塩、酒、だし汁を加え、薄力粉に少しずつ混ぜてダマのないようにする。
?タコは1cm角程度に切る。万能ネギは小口切りにし、つけ汁の吸い口用に少し取り分けておく。
?つけ汁は、だし汁に酒、塩、しょうゆを混ぜて温めておく。
?タコ焼きの型を熱し油を塗る。?の生地を流し、?のタコと天かす、とろろ昆布、万能ネギを入れる。中火で4分ほど、焦げ目がついたら裏返して丸い形に整え全体に焼き色を付ける。
?焼きあがったタコ焼きを器に盛り、?のつけ汁にとろろ昆布と万能ネギを入れて添える。
ポイント…充分焦げ目がついてから裏返す。
★とろろ昆布の和風サラダ★
?フライパンに油を温め、とろろ昆布をほぐして炒りつける。(中火で2分ほど)キッチンペーパーにとって油を切る。
?長芋は5mm角程度の拍子切り、オクラは軽く茹でて冷やし小口切りにする。水菜は3cm長さに切り、梅干は種を取って粗く刻む。
?器に?の水菜、長芋、オクラ、梅干を盛りつけ、ポン酢をかける。さらに?のとろろ昆布を天盛りにして出来上がり。
ポイント…とろろ昆布を焦がさないように。
黒米は稲の原種に近いモチ米で、古代米とも呼ばれています。おはぎや赤飯の原点といわれ、古くから祝いの米として珍重されてきたようです。ただ収穫量が少なく、脱穀にも手間がかかるので値段は若干高め。
〜黒米の栄養素〜
精白米に比べ、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛といったミネラルが豊富に含まれ、古くから造血作用、精力増進の食材と言われてきたことがわかります。注目の成分はアントシアニン。
〜アントシアニンの働き〜
黒米のアントシアニンは糠の部分に含まれている紫系の色素。
視神経の働きを支えるロドプシンという色素体の再合成を促進させ、疲れ目の予防や改善。生活習慣病の原因とされる活性酸素を抑える抗酸化作用。毛細血管の強化、抗炎症作用などが主な働きです。近年、植物が持つ力(色素や香り)が人間にとって有効な成分であることがわかり注目されています。
●今日の料理
★黒米とさつまいものご飯★
?米は研いで普通に水加減し、黒米を混ぜて昆布をのせ30分以上置く。
?さつまいもは厚めに皮をむき、1cm角に切る。すぐに水に入れて変色を防ぐ。
?吸水させた?の米に酒と塩をよく混ぜ、水切りしたさつまいもを散らして普通に炊く。
?炊き上がったら軽く混ぜて出来上がり。
ポイント…炊きムラが出来ないようにさつまいもは上にのせて炊く。
★黒米のぜんざい★
?黒米は厚手の鍋に入れ、2カップの水につけて1時間ほど置く。
??を火にかけて沸騰したら弱火にし30分ほど煮る。さし水をし、さらに15分ほど黒米が軟らかくなるまで加熱する。
??に砂糖を加え、塩で味を調えて火を止める。
?ココナツミルクパウダーに湯を加えて混ぜる。
?器に?ぜんざいを盛り付け、?のココナツミルクをかける。あればミントなどを飾って出来上がり。
ポイント…厚手の鍋で焦がさないように煮る。
キャベツの原産地は地中海沿岸といわれ、ヨーロッパやアメリカで品種改良され現在のキャベツになりました。食用のキャベツが日本に渡ったのは明治に入ってからだそうです。この時期に出回る春キャベツは冬のキャベツに比べ小さく、葉がやわらかいのが特徴です。
〜キャベツの栄養素〜
キャベツには多くのビタミンミネラルが含まれているが、特に風邪予防や美肌に働くビタミンCが豊富です。そんな中で注目の成分はビタミンUとビタミンK。
〜ビタミンU・ビタミンKとは〜
ビタミンU−キャベツから発見されたビタミン様成分(アミノ酸の一種)で別名キャベジン。胃腸の粘膜組織を作り、壊れた組織を修復する働きがある。(胃潰瘍、十二指腸潰瘍予防)
ビタミンK−脂溶性ビタミンの一種。血液を凝固させる働きがあり、傷ついた胃や十二指腸の出血を止める。
これら2つの成分を持つキャベツを、1日に2〜3枚の摂取で胃潰瘍予防が期待できるそうです。
●今日の料理
★春キャベツとホタテのワイン蒸し★
?キャベツは洗って水気を切り、大きめにちぎる。ホタテは下処理をして横2枚に切り、分量外の塩とこしょうで下味をつける。にんにくは薄切りにする。
?フタの出来るフライパンにバターを溶かし、?のにんにくを炒める。香りが出たら?ホタテの水気を拭いて入れ、焦げ目がつくまで焼く。(中火で片面1〜2分)
?ホタテの上に?のキャベツをのせ、白ワインを注ぐ。塩とこしょうを振り、フタをきっちり閉めて強火で3〜4分蒸し焼きにする。さらにフタを取って1〜2分アルコールを飛ばすように加熱する。
?器に盛り付け、パセリを飾って出来上がり。
ポイント…キャベツの色を活かすために加熱しすぎない。
★春キャベツの中華和え★
?キャベツは洗ってよく水気を取り、一口大に四角に切る。
?しょうゆ、オイスターソース、こしょう、塩を合わせて中華タレを作る。
?大きめのポリ袋に?のキャベツを入れ、ごま油を入れて振り全体にからめる。さらに?の中華タレを入れて振り、なじませる。
?器に盛り付け白ごまをふり、ミニトマトを飾って出来上がり。
ポイント…水気が出ないように最初にごま油でガードする。
水切りしたお豆腐を厚めに切って、高温の油で揚げたものが厚揚げ。表面はカリッとしていますが、中は豆腐とほとんど変わらないので生揚げとも呼ばれます。ちなみに豆腐を薄く切って揚げた油揚げは薄揚げともいうそうです。
〜厚揚げの栄養素〜
豆腐の加工品なので、ビタミンミネラルとも豊富に含まれており、レシチンやイソフラボン、サポニンといった機能性成分も含まれているので生活習慣病予防におすすめ。
〜厚揚げのタンパク質〜
三大栄養素の一つで、私たちの皮膚や筋肉、骨、髪、血液などあらゆる器官の素となる成分。タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、各器官に運ばれて体が作られていきます。体内に必要なアミノ酸は20種類ありますが、厚揚げにはその20種類すべて含まれています。
●今日の料理
★厚揚げのチーズ焼き★
?厚揚げは1cm厚さに切り、塩、こしょうで下味をつける。
?玉ねぎは縦半分に切り、1cm厚さに切る。にんじんはせん切り。ピーマンは輪切りにする。
?フライパンにオリーブオイルを温め、?の玉ねぎとにんじんを軽く炒めて、塩とこしょうをふる。その上に?の厚揚げをのせ、ふたをして玉ねぎがしんなりするまで焼く。(弱火で5分)
?加熱用チーズと?のピーマンをのせて、さらに2〜3分焼いて出来上がり。
ポイント…オリーブオイルは少量で。
★厚揚げのっけサラダ★
?厚揚げは縦半分に切り、1cm厚さに切る。おろししょうがとしょうゆで下味をつける。
?ポリ袋に薄力粉とこしょうを入れ、軽く水気を取った?の厚揚げを入れて、全体にまぶしつける。
?フライパンに油を温め、?の厚揚げをきつね色にカリッと焼き上げる。(中火で3〜4分)
?ドレッシングの材料を合わせておく。サラダ用の野菜を一口大に切り、器に盛り付け、焼いた?の厚揚げを野菜のうえにのせ、せん切りのネギを散らして出来上がり。
ポイント…厚揚げは薄力粉をつけたら時間をおかずに焼く。
マヨネーズの材料は卵と酢と油。完全栄養食品といわれる卵が使われているので栄養成分は豊富ですが、卵の脂質と油でエネルギー量はかなり高め。ですから少量で利用するのがポイント。
〜少量で使うマヨネーズの利点〜
マヨネーズは通常混ざりにくい油と酢が、卵に含まれるレシチンという成分のおかげでつながり、乳化という状態であります。
マヨネーズが胃の中に入ると、乳化され細かい粒状になった油が散らばり、脂溶性のビタミンを溶かし吸収率がアップするそうです。
●今日の料理
★マヨネーズトースト★
?マヨネーズにからしを混ぜてソースを作り、クッキングペーパーを筒状にして詰めておく。
?ハムなどの具は小さめに食べやすく切る。
?パンを4つに切り、そのうえにチーズをのせ?の具を彩りよくのせる。さらに?のマヨネーズソースを絞りだしオーブントースターでマヨネーズに焦げ目がつくまで焼く。(3〜4分)
ポイント…具がすべらないように先にチーズをのせる。
★マヨネーズ味のスープ★
?野菜はすべて1cm角程度に切る。鶏ササミは薄くそぎ切りにする。
?鍋にオリーブオイルを温め?の野菜と鶏ササミを炒める。(3分ほど)
?野菜がしんなりしたら水、固形ブイヨン、ローリエを入れて材料が軟らかくなるまで煮込む。(15〜20分)
?マヨネーズを溶きいれホワイトペッパーで味を調える。器に盛り、刻んだパセリを散らして出来上がり。
ポイント…マヨネーズは固まらないように手早く溶き入れる。